最近のお気に入り
(バックナンバー22)
CD、小説、映画など流行に関係なく、また新旧を問わず
最近気に入ったものを紹介します。
=音楽関係
=書籍関係
=映像関係
CARPENTERS GOLD 35TH ANNIVERSARY EDITION
LP時代から見てもカーペンターズのベスト盤ってかなりの数が出ている。店によっては、
それぞれ内容の異なるベスト盤が10枚近く並んでいることもある。やはり、彼らは良くも
悪くもシングルを楽しむアーティストなのかもしれない。確かに、オリジナル・アルバムも
悪くないけど、ベスト盤とそんなに雰囲気は変わらないし。しかし、これだけたくさんベスト
盤が出ていると、決定打に欠ける。僕はカーペンターズの『シングルス 1969−1973』
は持っているが、これ以降の曲はもちろん収録されていないので、彼らの全キャリアを
網羅したベスト盤が欲しい、とずっと思っていた。が、店頭であまたあるベスト盤をチェック
しても、内容に不満があるものばかりだった。あれが入ってないとか、4枚組は多すぎる
とか、なにかしら文句を言いたくなる訳ですね(笑) しかし、ついに決定盤と僕が認める(笑)
ベスト盤が登場した。それが今回紹介する『Carpenters Gold 35th Anniversary
Edition』なのである。今年が、カーペンターズのデビュー35周年という事で新たに編集
された物のようだが(30周年とか、節目の年には必ず出ているような気が...)、デビュー
曲の「Ticket To Ride」から最後のTOP40ヒットとなった「Touch Me When
We’re Dancing」までのシングルは全て網羅され、尚且つシングル以外の有名曲や
未発表曲までも収録した2枚組全40曲。文句なし。あとは聴く人の好みの問題、としか
言いようのない完璧なベスト盤なである。という訳なので、内容について触れるのはやめて
おく(笑)
それにしても、カーペンターズを聴いていると、色々な事を思い出す。中学の同級生で
松浦君という人がいて、彼がカーペンターズの大ファンだった事とか(爆) 僕が転校して
しまった為それきりずっと会ってないけど、カーペンターズの『メイド・イン・アメリカ』が出た頃、
“久々に買ったカーペンターズ、やっぱりいいです”なんて手紙に書いてきたなぁ。カレンが
亡くなった時とか、近年日本でカーペンターズがブームになってるのを見た時とか、一体
彼は何を思ったのだろう。なんて事を考えてしまった。大変私的な話ですいません(笑)
でも、カーペンターズの音楽には、つい感傷的な気分に浸ってしまう魔力がある。遠い昔
の小さな出来事(それもちょっとセンチな)を思い出させてしまうような魔力。上手く言え
ないけど。イメージのせいだろうか。大成功を収めたのに、結局は不幸な形でそのキャリア
を終わらせてしまった悲運のアーティスト。明るい曲でもどこか憂いをたたえたカレンの声。
何だかよく分からないけど、とにかく僕はカーペンターズは必ず一人で聴く事にしている。
感傷に浸っている所を人に見られたくないもんね(笑)
NOTE 2004.6.26
STEVIE WONDER’S ORIGINAL MUSIQUARIUM T
1982年に出たスティービー・ワンダーの、正に全盛期をパッケージした2枚組ベスト盤
である。一応、リマスター・エディションと銘打ってはいるが、発売当初と同じフォーマットで
曲が追加されたりはしていない。エディションというのは看板に偽りあり、と思えるが、
このベスト盤自体が非常に完成されたアルバムであるので、曲の追加など考えられない
というのは間違いない所だ。スティービー・ワンダーのファンの中には、このアルバムを
単なるベスト盤とは捉えず、彼の70年代の名盤たちと同列に考えている人も多いらしい。
ま、とにかく、近年やたらたくさん出ているスティービーの安直なベスト盤とは確実に一線
を画す名盤であるのは確かだ。
スティービーがアーティストとして自立し、名曲を連発した70年代から80年代のかけての
ヒット曲12曲に加え、ABCDそれぞれの面のラストに新曲を配す、という構成が絶妙だ。
お馴染みの曲ばかりだけど、曲の並べ方にポリシーが感じられ、単なるヒット曲のオン
パレードなんかではない。スティービー自身が愛着のある曲を選びアルバムを再構築
する事で、あたかもオリジナル・アルバムのような雰囲気が漂っている。いうなれば、頭
出し機能を使って細切れに聴く事を許さない作りというか。曲間がほとんどない構成に
なっているのも、その表れだろう。最初から最後まで通して聴いてくれ、という事なのだ。
自分の曲に対するスティービーの自信と愛情をひしひしと感じてしまう。
でも、この頃のスティービーって凄かった。ほとんどキーボードだけで作り上げている
サウンドプロダクションも素晴らしい。革新的でありながら大衆性も持ち合わせているのも
大したもの。とある人が、80年代に入って急に失速したアーティストとして、スティービー
とEW&Fの名前をあげていたが、確かにこの頃のスティービーを聴いてると有名な
「心の愛」なんて、駄曲に思えてくる。これは大げさじゃないと思うよ。
てな訳で、70年代のスティービー・ワンダーは凄かったのである(笑) このアルバムの
中の曲はみんな素晴らしいが、僕が特に好きなのは「スーパーウーマン」だ。フェンダー
ローズの柔らかな音色が実に心地いい。メロディも秀逸。バジー・フェイトンのシブいソロ
もいいね。文句のつけようがない名曲。あ、もしかすると次の洋楽しりとりでボーナスに
なるかもしれないから、ちゃんと聴いておいた方がいいよ(爆)
NOTE 2004.6.18
動かぬ証拠/蘇部健一
以前ここでも紹介した『六枚のとんかつ』で知られる、日本ミステリー界の鬼才というか
異端児というか、そんな(どんな?)蘇部健一のこれまたバカ度全開の短編ミステリー集
である。タイトル通り、各短編のラストに提示される一枚のイラストが全てを解決する、と
いうありそうでなかった斬新なアイデアによる作品集なのだ。またしても、本格及び本格
愛好家からは総スカンだったそうだが、彼の作品の価値が分からない人はほっとけば
よろしい。面白ければいいのだ。でも、この面白さが理解出来ない、なんて可哀想だなぁ(笑)
あっさりと殺人を計画し、アリバイ(トリック)作りに必死になる登場人物たち(そのトリック
がまたしょうもないのが多いのだ)、それはそのままトリックのためのトリック作りに精魂
傾ける本格の人たちに対する痛烈な批判である。この蘇部健一のような存在こそが、
本質を忘れて迷走するミステリー界に喝を与えるのだ。そんな訳ですので、近頃のミステ
リーは理屈っぽくてイヤ、という人には是非蘇部健一の作品を読んで頂きたい。面白いと
感じた人こそ、実は正常な感覚の持ち主だといえるでしょう(笑)
NOTE 2004.6.17
HONKIN’ ON BOBO/AEROSMITH
発売されて一ヶ月以上経つので既に聴いている人も多いだろう。あの、エアロスミスの
約3年振りの新作は、なんと!ブルース・カバー集なのである。やはり3年程前、ブルース
系ミュージシャン達によるエアロのブルース・トリビュート・アルバムが出て、ここでも取り
上げた事があるが、今回のエアロによるブルース・カバー・アルバムは、そのブルース・
トリビュートと対を成すものと言える...かどうかは定かではない(笑)
ま、ここ数年、デビュー以来30年近くに及ぶキャリアと未だ衰えぬカリスマ性を背景に、
キャッチーでハイパーな、正に今どきのティーンをターゲットにしたロックを作ってきた
エアロだが、本作では初心に立ち返ったようなサウンドが聴けて、ファンとしてはこんなに
喜ばしい事はない。旧知のジャック・ダクラスと久々に組んだせいもあるだろうが、お世辞
にも垢抜けたとは言えない、武骨でワイルトで不良の匂いがプンプンするサウンドを聴か
せているのが、これまた嬉しいのだ。近年の、妙に抜けのいい音なんて、ちっともエアロ
らしくないしね。若い連中がこれを聴いてどう感じるかは知らないが、久々の快作である
ことは確か。30代後半以上のロック世代は必聴ですぞ(笑)
とはいえ、やはりブルース・カバーであり、多少単調に感じられるのは仕方ない所だろう。
「The Grind」だけが唯一のオリジナル曲なのだが、この曲の出来が良く、アルバム中
では最も印象に残る。願わくば、全編こんな雰囲気のオリジナル・アルバムを次は期待
したいものだ。
NOTE 2004.6.3
FLY OR DIE/N・E・R・D
最近のアーティストについては疎いもんで、このバンドの事も全く知らない。なんでも、
今をときめくネプチューンズというプロデューサーコンビがいて、そのネプチューンの二人
に友人が加わって結成されたのが、このN・E・R・Dなんだそうである(ちなみに、バンド
名は“おたく”という意味らしい) ジャケットに黒人2人と白人1人が写っているが、この
黒人2人がネプチューンズなんだろうかね。
ま、それはともかく、彼らにとって本作は2ndにあたるらしい。実は、某レコード屋の店頭
で本作からのシングル「She Wants To Move」が流れていて、その曲のあまりの
カッコ良さに、アルバムを買ってみたという次第なのだが、これが実に良い。カッコいい。
黒っぽいけどソウルやファンクとは明らかに違う、いわゆる黒人ならではのロックという
感じなのだが、キャッチーなメロディ展開やアナクロなギターソロなど、オールドファンの
心をくすぐる要素もたっぷり。多分打ち込みだろうけど、ドラムの音が妙に生々しく聞こえ
るのもいい。最新鋭なんだろうけど古臭い部分もあり、これが今どきのロックというもの
なのか。よく分からんけど。ま、とにかく、理屈抜きですっかり気に入ってしまったので
ある。この“理屈抜き”ってのが一番大事なのだよ(笑) ほんと意外な収穫だった。
やっぱり、新しいのにも手を出してみるもんだな(爆)
NOTE 2004.5.12
WAKE UP−CLOSER TO HOME/MARK FARNER
なんと、マーク・ファーナーのソロ・アルバム2枚の2in1である。ライナー(といっても
紙っきれが一枚...)によると、『Wake Up』は1988年、『Closer To Home
(GFR時代のアルバムと同じタイトルだけど、リメイクではない)』は1992年に発表
されたものだそうだ。全く知らなかった。情けない。これ、当時日本でも出たのだろうか?
で、内容だが、聴いてみてちょっと驚いた。典型的とも言っていいくらい、もろ80’s
アメリカン・ロックの音なのである。すっきりと抜けのいいリズム・セクションにクリアな
ギターの音、ややハイトーン気味のボーカルに爽やかなコーラス、そしてキャッチーな
メロディ、とどこを切っても80’s、要するに産業ロック的なのだ。正直な所、GFR時代の
イメージはほとんどない。けれど、これはこれでグレードの高いアルバムだ。この手の
音楽は下手すると無個性なものに成りがちだが、そこはさすがにマーク・ファーナー、
どの曲も出来はいいし、ボーカルは相変わらず魅力的だし、退屈せず気持ちよく聴ける。
時代を考えると、シングル・ヒットも狙えただろうに、とも思わせる。惜しいなぁ、それなり
のプロモーションして売れていれば、現在の彼のポジションも変わっていただろうに...
“元グランド・ファンク”のみで語られるようには、ならなかったかもしれない。もちろん、
GFRのファンからすると、ここで聴ける音には違和感があるだろうし、不満もあるだろう。
しかし、マーク・ファーナーがこのアルバムを作るにあたって、演奏も曲作りも他人任せ、
自分は歌ってるだけ、という姿勢で臨んだのではなく、曲もギターも自らの意志で
手掛けたのであれば、立派に意味のある作品と思う。クレジットが全くないので、何とも
言えないが...決して彼が操り人形になったのではなかった、と信じたい。くどいよう
だが、大変グレードの高いアルバムであるのだから。
それにしても、廉価版とはいえ、前述したようにクレジットが全くないのは不親切としか
言いようがない。マーク・ファーナーに対しても失礼である。反省するように。それと、
短い解説を読んで初めて知ったのだが、マーク・ファーナーは一時期CCMの世界で
活動していたらしい。コンテンポラリー・クリスチャン・ミュージックってヤツね。これには
驚いた。かつてのハードロッカーがCCMとは。さすが宗教国家アメリカ、おそるべし(笑)
NOTE 2004.4.14
2004年度版 プロ野球間違いだらけの12球団/小関順二
当サイトでもあちこちで書いているが、僕も昔はプロ野球をよく見ていた。4月になって
プロ野球が開幕すると、正に春が来たという気がしてワクワクしたものだ。そして贔屓
チームである中日ドラゴンズの勝敗に一喜一憂するという日々が秋まで続いていたので
ある。今では全くそんな事はなくなってしまったけど...
そんな、今では忘れてしまった、今年はどんなシーズンになるのだろう、という開幕前の
ワクワク感を甦らせてくれるのが本書である。著者の小関順二という人は、週刊文春等
に野球コラムを連載したりしていたので、名前は知っていた。特定の球団や選手への
偏愛ではなく、詳細で正確なデータと幅広い知識、そして野球に対する深い愛情をベース
に記事を書く人で、日本では数少ない信頼出来る野球ライターと思う。この『間違いだらけ
の12球団』は、彼が毎年シーズン前に上梓しているのだそうで、僕が読んだのは今回が
初めてだ(余談ながらこのタイトル、かつて元プロ野球選手が書いた暴露本とよく似ている)。
タイトル通り、プロ野球の12球団を戦力、フロントの姿勢などから分析しているもので、
それを基に今年のペナントレースを占う、という類のものではなく、あくまでファンがプロ
野球を楽しく観戦出来る参考になれば、というガイドブックみたいな本だ。例によって、
データの分析力も確かだし、何よりも知識が豊富なので非常に説得力ある内容になって
いる。プロ野球のみならず日本の野球全体に対しても考察しており、現在の野球界が
抱える問題点もしっかりと提示されている。著者自身の野球に対する考え方もよく分かるし、
単なるガイドブックにとどまらない懐の広い内容の本といっていいだろう。“アテネ五輪の
派遣枠は1チーム2人まで、というのはアマ球界に対して失礼だ”という一節には快哉を
叫びたくなった。“たいして人生を経験していない18〜22才の若者が球団を格付け
できる訳がない。それでも格付けしたがるのは、陰でそういうことを吹き込む人間がいる
からだ”というのにもニンマリしてしまいましたね。今の野球ライター(or野球解説者)には、
こういう正論を吐ける人はいなくなってしまったが、これは野球ジャーナリズムだけでなく
野球界全体の衰退に繋がる事だ。野球に携わる人たちはもっと危機感を持って貰いたいし、
ファンの人たちもそのことを理解する必要がある。
今年のプロ野球は、セ・パ共に頭抜けたチームがなく、混戦が予想される。本書のおかげ
でプロ野球に対する関心を呼び起こされてしまった僕としては、中日の試合を中心に
今年はプロ野球も大いに楽しみたいと思っている。
NOTE 2004.4.10
黒い仏/殊能将之
やはり、この人ただ者ではない。叙述トリックであっと言わせた『ハサミ男』、本格派探偵
小説の形態を借りた『美濃牛』、共にストーリーもトリックも人物造形も超一流のミステリー
でありエンタテインメントであったけど、この『黒い仏』もまた凄いのだ。なんとミステリー
と伝奇物を合体させてしまっている。『美濃牛』に登場した自称名探偵(なにせ名刺に
名探偵と刷り込んでいるくらいだし)石動戯作が再び登場し、殺人事件が発端となって
物語が進んでいくあたりはミステリーだけど、徐々に妙な展開になっていく。ネタバレに
なるので、これ以上は言わないが(あ〜、でも言いたい)、ミステリーと伝記物を合体させる
と言っても、東野圭吾のガリレオシリーズみたいに、オカルト現象を論理的に解明して
みせるのではなく、かといって京極夏彦のように、両方をごちゃまぜにして混沌とした世界
にしてしまうのでもない。ミステリー側の登場人物にとっては純粋なミステリーにしか過ぎ
ないが、伝奇側の人たちからするとしっかり伝奇物になっているのだ。訳分かりませんか?
ならば、一度手にとって頂くしかないでしょう。本格を好む人は怒りだす内容かもしれないが、
面白いからいいのである。確かに本格に対する皮肉はキツいかもしれないけどね。
最後に、この『黒い仏』のラストの2行を引用させて頂く。これで、貴方はこの小説が読み
たくてたまらなくなってしまうこと間違いない(笑)
“こうして、名探偵とその助手は物語の舞台から去っていった。
その背後では、人類の存亡を賭けた最後の闘いが始まろうとしていた。”
NOTE 2004.3.29
A NIGHT AT THE OPERA/QUEEN
なんと今日本ではクイーンがブームなんである。驚くべきことだ。1月に発売された日本
独自編集のベスト盤『クイーン・ジュエルズ』が、クイーンのアルバムとしては27年振り(!)
にオリコンで一位となり、紙ジャケ&2001リマスター使用で再発されたオリジナル・アル
バムも快調に売れているらしい(このベスト盤といい紙ジャケといい、日本のみの発売
ながら、ブライアンも監修に関わっているそうだ。『ジュエルズ』と命名したのも彼だとの
こと)。シンコー・ミュージックや河出書房からアーカイブシリーズが発売され、ストレンジ・
デイズや別冊宝島でもクイーン特集を組み、さらに驚くべき事にはテレビでもクイーンを
扱った特番が複数の局で放送された。町を歩けば必ずと言っていいほどクイーンの曲を
耳にする。職場ですら「最近またクイーンが人気なんだって」と話題になったりしている
のだ。なんということか。僕もクイーンのファンになって長いけど、これほど巷にクイーン
が溢れた事は記憶にない。今、何故、クイーンなのか? ま、そんな事は分からんし、
どうでもいい(ただ、ドラマ人気だとは思いたくない)。とにかく、今最も旬なバンドが
クイーンなのである。間違いない(あくまでも長井秀和風にお願いしますよ)
と、時ならぬ(笑)クイーン人気に影響されたのか、僕自身も現在何回目かのマイブーム
である。ベスト盤は知ってる曲ばかりだしCCCDだしという事で買ってないけど、紙ジャケ
仕様のオリジナルアルバムは少しづつ買い揃えている。ほとんどLPでしか持っていない
ので、ご承知の通り紙ジャケは嫌いなんだけどクイーンなら仕方がない、と志を曲げて
買う事にしたのである。現段階で揃えたのは『戦慄の王女』から『世界に捧ぐ』までの6作
+『ホット・スペース』の計7枚。どのアルバムも改めて聴くと、やっぱり素晴らしい。特に
『オペラ座の夜』、生まれて初めて聴いたクイーンのアルバムがこれだったという感慨も
あり、久々に感動して涙腺緩みっ放しだった(笑) 既に発表されてから25年以上が
経過しているというのに、その素晴らしい楽曲と革新的なアイデアは全く色褪せておらず、
時の流れに埋没することのない普遍的な魅力に溢れている。新しいファンを獲得し続けて
いるのも納得。クイーンは正に、ビートルズと並ぶ偉大なロックバンドの地位を確立した。
なんと素晴らしい事であろう。女王に加護あれ!!
所で、クイーン絡みで面白い物を買った。『We Are The Bass Champion』という
タイトルでアーティスト表記はベース・クイーンとなっているが、要するにカバー集だ。
「ボヘミアン・ラプソディ」をはじめとするクイーンのヒット曲を解体しベーシックトラック
主体で再構築した、要するにカラオケみたいなもんだけど(ボーカル入りもあり)、これが
結構いけるのである。クレジットによると日本人が作ってるらしく(「日本音圧協会認定」
というのが笑える)、打ち込み主体と思われるが、ファンキーに変身したクイーンの曲が
楽しめるのだ。興味のある方は是非お試し下さい。一応、イーストウェスト・ジャパンと
いう大メジャーから出ているけど店頭ではまず見つからないだろう。アマゾンに注文すれば
3日で届きます。僕もアマゾンで買いました(笑)
という訳で、当分はクイーン一色だな(爆)
NOTE 2004.3.6
CLOSER TO HOME/GRAND FUNK RAILROAD
いよいよマーク・ファーナーのソロ公演が目前に迫って来た。その前哨戦という訳でも
ないのだが、この所ちょっとGFRモードである。イアラさんとこにも投稿しちゃったし(笑)
で、この『クローサー・トゥー・ホーム』、1970年に出た彼らの3作目だ。ゴリゴリのハード
ロック・バンドとして世に出たGFRが、割とメロディアスな一面も持っている事を世間に
知らしめたアルバム、という事になっているが、確かにその通りであろう。組曲風の
「アイム・ユア・キャプテン」をはじめ、哀愁たっぷりの「ミーン・ミストリーター」(ちなみに、
僕が今回買ったのは2002年に出たボーナストラック付きのリマスター盤で、本編・
別ミックス・ライブテイク、とこの曲が3度も聴けてしまうのだ...笑)、ソウルフルな
「ゲット・イット・トゥゲザー」など、それまでのイメージとはやや違う感じの曲が目立つ。
が、パワフルなライブばかりが話題になっていたが、実はマーク・ファーナーは優秀な
ソングライターでもあり、本作のようなバラエティに富んだアルバムを作ってもちっとも意外
でない人なのである。そこいらは1stや2ndでも既に証明されており、特に驚くにはあたら
ない、という訳なんだな(笑) ま、実際曲の出来も良く、またGFRらしいテンションの高い
演奏振りも堪能出来るという事で、非常に素晴らしいアルバムである。間違いない(ここは
長井秀和風に...爆)。トリオ時代の最高傑作と言っていいかも。
本CDのライナーによると、マーク・ファーナーはこのアルバムに大変思い入れがある
ようなので、「アイム・ユア・キャプテン」あたりソロライブでも披露してくれるかもしれない。
そんな事もあって、ライブが実に楽しみな今日この頃なのである(笑)
NOTE 2004.2.11