最近のお気に入り
(バックナンバー24)

CD、小説、映画など流行に関係なく、また新旧を問わず
最近気に入ったものを紹介します。

MUSIC=音楽関係 BOOKS=書籍関係 MOVIE=映像関係



 MUSICPATIENCE/GEORGE MICHAEL
     ジョージ・マイケル久々の新作。去年の春に出ていたのだが、年が変わってからやっと
     手にしたのである(苦笑) 内容としては、ソロになって以降の彼のお得意のパターン、
     つまり自分で作ったバックトラックを基に、ダンス系の曲とスローな曲が交互に並ぶという
     構成で、多少無機質な感じはするが、完成度は高い。なんだかんだ言っても、この人
     才人である。
     とはいうものの、やはり疑問も感じるのであって、僕はワム!時代にジョージ・マイケル
     に注目し、ソロアルバムもずっと聴いているが、この人本当にこういう事がやりたいの
     だろうか?なんて思ってしまうのだ。ワム!(=ジョージ・マイケル)の魅力は、様々な音楽
     をベースにしながらも、高い作曲能力とボーカルの素晴らしさで、単なるモノマネでない
     高品質なポップスを聴かせる所にあった訳だが、ソロになってからはそれらは影を潜めて
     いる。音数はとことん少なくボーカルは歌うというより囁いているような感じ。印象的な
     メロディも聴かれなくなり、大ヒットした1stソロ『FAITH』なんて、陰鬱で重苦しい雰囲気
     に満ちたアルバムとなってしまった(今でもこのアルバムは嫌いである)。ポップスターと
     してもてはやされたワム!のイメージを払拭したかったのは分かるけど、それにしても
     『FAITH』はひどすぎる(2nd以降はかなりマシになったけど)。スターとなった自分を
     貶める事にマゾヒスティックな悦びを見出していたとしか思えない。その後の彼は、
     訳分からない事言いだしてレコード会社とトラブルを起こしたり、猥褻罪で逮捕されたりと、
     すっかり変人ミュージシャンになってしまった。聞く所によると、エルトン・ジョンも今回の
     新作を酷評したそうな(ジョージ・マイケルはエルトンの大ファンである事を公言し、
     何度か共演もしている。結構可愛がられていたのに...)。親しい友人でさえ、彼から
     離れてしまっているのだろうか。これでいいのか、ジョージ・マイケル。確かに、アルバム
     を作れば素晴らしい内容なんだけど、かつてのように楽しく音楽をクリエイトする姿勢は
     伝わってこないし、孤独な心情を吐露するかのようなバラードも、歌い方のせいか、平坦
     で息苦しい(大胆にサンプリングを施したアップテンポの曲の方がずっと出来は良い)。
     何か、意地になって妙な方向に突き進んでいるような気がして仕方がない。ファンの人は
     どう思っているのだろう? カバー曲なんかだと、その歌唱力やセンスを存分に堪能
     出来るのに。勿体ないよなぁ。
     てな事を考えながらこの『Patience』を聴いているのである。出来がいいだけに、よけい
     複雑な気分だ(笑)

NOTE 2005.1.19



 BOOKS正義の証明(全2巻)/森村誠一
     久々に森村誠一を読んだのである。本作については、かなり新聞等で宣伝もしてるので、
     内容をご存知の方も多いだろう。法の壁に守られ罪に問われる事のない政財界の悪人
     どもに、麻酔弾をブチ込む“私刑人”の暗躍振りを通して、“正義”とは何なのか?を問い
     かける小説だ。ま、森村氏の作品の常として(笑)、小説の中で答えは出てしまっている
     (というか、森村氏の見解が前面に出ている)のであるが...本来、法というものは弱い
     者の味方であるはずなのだが、その盲点を巧みに突いて、罰を逃れる輩も多く(少年法
     など、その最たるもの)、しかもどういう訳か、被害者の人権より加害者の人権の方が
     最優先され、結局は泣き寝入りというかやられ損という目に遭っている被害者も多いと聞く。
     また、その法の番人であるはずの警察関係者及び司法関係者のモラルやレベルの低下
     は目に余るものがあり、はっきり言って信用出来ない訳で、こんな状況が続けば国民の
     誰一人として法律なんぞあてにせず、自分の事は自分で守る、という方向に進んでいって
     しまうだろう。それは、法治国家の崩壊を意味するのであり、先進国・近代国家としての
     体を成さなくなってしまうのである。単なる一個人の世迷い言かもしれないが、現実になって
     しまうのでは、と僕は憂えている。本気で考え直す時であろう。この『正義の証明』を単なる
     フィクションと片付けてしまってはならない。
     ところで、貴方にとって何が“正義”ですか?

NOTE 2005.1.14



 MUSICMR.NATURAL/BEE GEES
     昨年暮れ、ビージーズのポリドールでのオリジナル・アルバムがまとめて再発された。
     リマスターではなさそうだし、ボーナストラックもないけど(その代わりCCCDでもなければ
     紙ジャケでもない...爆)、再び廉価でビージーズのアルバムが入手出来るように
     なったのは喜ぶべきことである。特に、モーリスの死をきっかけにブチ上げた“ビージーズ
     補完計画”が頓挫していた僕にとっては(笑)
     で、ここに紹介するのが、1974年に発表された、ビージーズにとっては10作目に
     あたる『ミスター・ナチュラル』である。初めてアリフ・マーディンと組んだ作品であり、
     商業的には成功しなかったようだけど、あの名盤『メイン・コース』への足掛かりを作った
     アルバムとして、ファンの間では『メイン・コース』以上に重要視されている(らしい)。
     ライナーによると、1971年の「傷心の日々」以降ヒットに恵まれていなかったビージーズは、
     完成したアルバムの発売をレコード会社から拒否された事もあったようだ。今となっては
     信じがたい事であるが、とにかくイメージチェンジを迫られた彼らが、アリフ・マーディンの
     助言のもと作り上げたのが本作であり、それまでの“田園フォーク”路線からR&Bの
     要素を取り込んだサウンドへ、見事に軌道修正している。ムーディで柔らかなメロディと
     ハーモニーが絶品の「シャレード」、メロディ展開に力強さが加わった「幸せの1ペンス」、
     新しいビージーズのパターンを確立したとも言える名曲「ミスター・ナチュラル」など、
     大胆なくらいイメージを変え、それでいてメロディとハーモニーの美しさは健在、という
     新生ビージーズを堪能出来るのだ。「重苦しい息」なんてファンクだし。はっきり言って、
     “田園フォーク”のイメージは影を潜めているので、不満だったファンもいただろうが、
     当時彼らが置かれていた状況を打破するには、これくらいの路線変更が必要だったのだ。
     結果的に、このアルバムで軌道修正に成功したビージーズは次作『メイン・コース』で
     再び(三たびか)チャートのトップに返り咲き、あの70年代後半の快進撃へと繋がって
     いくのである。そう考えると、ビージーズは『ミスター・ナチュラル』で賭けに勝ったのだと
     言えよう。この路線は決して間違いではない。実を言うと、僕もこれ以降のビージーズの
     方が好きだったりするし(笑)
     まぁ、そういった歴史的意義(笑)を差し引いても、実に良いアルバムである。曲良し歌良し
     サウンド良し。完成度の高いポップ・ミュージック。一見大胆なイメージチェンジに成功
     した要因は、何よりも彼らの曲作りの才能にある、という事を実感させられる。ファンならず
     とも気に入って頂けるアルバムと思うので、是非聴いて下さい(笑)

NOTE 2005.1.7



 MUSICPEACHTREE ROAD/ELTON JOHN
     新婚(笑)エルトンの3年振りの新作である。本作は、彼の長いキャリアでもおそらく初めて
     であろう自身の単独プロデュース作品であり、心配されていた方もいらしたようだが(笑)、
     実にシンプルで味わい深い楽曲が並ぶアルバムとなった。エルトン公私共に絶好調と
     いった所か。実際、曲といいサウンドといい、そしてエルトンの円熟味溢れるボーカルと
     いい、ファンならば大満足という内容なのだが、ファンならば満足という事は、ファン以外
     の人にアピールする要素が少ないという事でもあり、唯一気になるのはその点である。
     相変わらずのエルトンの世界も確かにいいのだが、新しい試みというのはあまりないし、
     ゆっくりとしたテンポの曲が多いのも躍動感に欠けるように思う。守りに入ったとは思わない
     けど、エルトンらしさを強調しつつ新しい一面も見せて欲しいな、なんて感じてしまうのは、
     やはりファン故の我が儘であろうか(笑) 「世界の重み」「アンサー・イン・ザ・スカイ」
     「あふれる涙」みたいな名曲をまだ書ける人であるし、彼の音楽的バックボーンの豊かさ
     を見せつける「マイ・エルーシブ・ドラッグ」「ゼイ・コール・ハー・ザ・キャット」といった佳曲
     もある。まだまだエルトンは過去の人なんかではないのだから、色々と新しい要素を取り
     込んでファン以外の人をもねじ伏せるようなアルバムを作って欲しい、と思うのは決して
     僕だけではないはずなんだけど、如何でしょう?(笑) エルトンなら出来るはず。あ、
     なんだかんだと文句をつけているように聞こえるかもしれませんが、今回の新作が素晴
     らしい出来である事は間違いありませんので、勘違いなさらないで下さいね(爆)

NOTE 2004.12.12



 MUSICISLANDS/KAJAGOOGOO
     またしても懐かしい名前である(特に30代後半以上にとっては)。カジャーグーグー。
     あの「君はTOO SHY」で知られる“デュラン・デュランの弟分”である(笑) 80年代
     前半のニュー・ロマンティック・ブームの中、彗星の如く登場した彼らは「君はTOO SHY」
     を世界中でヒットさせたが、すぐにアイドル的存在だったボーカルのリマールが脱退、
     残った4人で作られたのが、この『アイランズ』だった訳だ。それまでのイメージを一新し、
     同じUKのレベル42にも通じる、フュージョン的アプローチも随所に見られるクールで
     ファンキーなサウンドで、一部では評判となるものの商業的にはあまり成功しなかった
     ようだ。その後、彼らはカジャとバンド名を改め、活動を続けるものの結局解散してしまう
     のだった...ま、そんな経緯もあり、カジャグーグーというバンドは80年代UKロック
     (この時代はなんとなくブリティッシュ・ロックとは呼びにくい)の徒花的存在になってしまった
     のだが、この『アイランズ』を聴いてみても分かるように、実は仲々才能のある人たち
     だったのだ。一発屋として片付けてしまうのは惜しい。
     当時ニュー・ロマンティックと呼ばれたバンドの多くがブラック・ミュージックに大きな影響を
     受けており、カジャグーグーもその例に漏れず、前述したがファンキーな音楽性を素直に
     表現している。後のUKソウルと違うのは、決してブラック・ミュージックの安直なコピーに
     終わっていない所であろう。メンバー中最年少のニック・ベッグスのベースがアレンジの肝で、
     そこいらはチョッパービシバシの「ビッグ・アップル」やフレットレスのフレーズが印象的な
     「パワー・トゥー・フォーギブ」あたりに窺える。また、「オン・ア・プレイン」のように当時人気
     だったシャカタクみたいな曲もあり、歌以上にインストパートの比重が大きいのも、このアル
     バムの特徴だ。ニューウェイブとフュージョンがドッキングしたようなインスト「ザ・ループ」
     なんてのもあるし。そういえば、CD化にあたって追加されたボーナストラックにライブテイク
     があるが、(スタジオ録音に拍手をかぶせた疑似ライブでなければ)仲々に高度な演奏を
     披露しており、実力派だったことが分かる。やはり「君はTOO SHY」のようなキャッチーさ
     に欠けたのが、今いち売れなかった要因なのだろうか。何度も言うけど、惜しいなぁ。せめて、
     今回のCD化で再評価でもしてあげないと浮かばれないよ(笑)
     それにしても、カジャグーグーって風変わりな名前だけど、どういう意味なんだろう? 
     ひらがなで書くとカワイイなんて言われてたなぁ。「かじゃぐーぐー」確かに(爆)

NOTE 2004.12.2



 MUSICWHERE I SHOULD BE/PETER FRAMPTON
     70年代は音楽誌クラビアの常連だった美形ロッカー、ピーター・フランプトンが1979年
     に発表したアルバムが、今年になってようやくCD化された。発売当初はかなり評判になり、
     FMでもよく流れていた記憶がある。シングルカットされた「I Can’t Stand It No
     More」が好きで、当時金があったら、おそらく買っていたであろうアルバム。25年の歳月(!)
     を経て、ようやく手にしたという訳だ。
     で、今改めて聴いてみるとR&B色濃いサウンドに驚かされる。特にA面(CDでいうなら
     前半6曲)が黒っぽい。フィリー風のストリングスをあしらった「Got My Feet Back
     On The Ground」なんて、フランプトンこういうのもやってたんだ、なんて今さらながら
     感心してしまった。アイザック・ヘイズの作品2連発でA面を締めるというのも、かなり
     マニアっぽくていい感じ(笑) そんな中、やはりトップに置かれた「I Can’t Stand It
     No More」はカッコいい。クールなイントロがたまりません。でも今聴くと、やはりこの曲
     も黒っぽい香りが漂っている。そしてタイトル曲。これもFMでよく耳にしたが、スケールの
     大きな佳曲。スライドみたいに聞こえるソロがカッコいい。で、B面に行くと、こちらは割に
     それまでのフランプトンのイメージに近い世界だ。ポップでメロウで、だけど彼のルックス
     に似つかわしくない声のおかげで、甘くはならない独特のロック。ラストの「It’s A Sad
     Affair」なんて名曲と言っていいのでは。ボーカルに絡んでくるストリングスと女声コーラス
     がとっても素敵。音質が今イチなのが気に入らないけど、フランプトンの個性が十分に
     発揮されたいいアルバムだと思う。彼も実はR&B好きなんだ、という事も分かるし。
     確かこのアルバム、発売当時の邦題は『新たなる旅立ち』だった。考えてみると原題が
     “僕がいるべき場所”てな意味なんだから、おそらく自分のルーツや音楽性を見つめ
     直した末に産まれたアルバムなのだろうと推測されるが、ここ日本ではR&B色を強く
     打ち出した故に違う方向性を見つけた、なんて解釈されてしまったのだろうか。ま、そんな
     事を考えながら聴くのも面白い(笑) ただ、当時のフランプトンはそのルックスのせいで
     アイドル視されるのを嫌っていたという話を聞いた事があるが、その割にはこの頃のアル
     バムのジャケットは自分のポートレートばかりである。なんか矛盾してるなぁと思う今日
     この頃(笑) 確かに顔からはちょっと想像出来ない声ではあるんだけどね。ま、僕に
     とっては、強烈に70年代を思い出してしまうミュージシャンの一人である。

NOTE 2004.11.28



 MUSICASTRONAUT/DURAN DURAN
     昨今の再結成や復活ブームに乗った訳ではあるまいが、デュラン・デュランがオリジナル・
     メンバーすなわち、サイモン・ル・ボン、ジョン・テイラー、アンディ・テイラー、ニック・ローズ、
     ロジャー・テイラーの5人で復活し、この顔ぶれでは19年振り(!)となるアルバムを発表
     した。なんたってあの、80年代ロックシーンを象徴すると言っても過言ではない名盤『リオ』
     や『セブン&ザ・ラクド・タイガー』を作った5人によるアルバムである。これは聴かない訳
     にはいかない(笑) と胸躍らせて買いに行ったのであるが、一聴して驚いた。素晴らしい。
     この5人が集まったというだけで、こんな素晴らしいアルバムが作れてしまうものなのか。
     あのまま分裂しなかったら、一体どんな事になっていたのだろう(笑) いやほんと、冗談
     抜きで素晴らしい。再結成組や復活組にありがちな、昔取った杵柄でも過去の縮小再生産
     でもない、前述の名盤2枚をも過去の遺物として葬り去ってしまうかのような、素晴らしい
     出来映えの新作がここにある。これはもう、素直に絶賛するしかない。それくらい素晴ら
     しいのだ。嘘ちゃうで(笑)
     とまぁ、相変わらずレビューにも何もなっていないのだが(自爆)、日本盤ライナーによると、
     彼らは今までのデュラン・デュランのイメージとは違う物を作ろうと意識したらしい。そう
     心掛けたのが功を奏したのか、曲もアレンジも素晴らしい出来映えになってるのは、さっき
     から言ってる通りだけど、やっぱり独特のキャッチーなメロディとかミステリアスな雰囲気
     とかはデュラン・デュランそのものだ。音の感触としては「美しき獲物たち」に近い感じ。
     思えば、分裂した後も彼らは質の高いアルバムを作ってヒットを飛ばしてきた。古くからの
     ファンにそっぽを向かれようとも、それは厳然たる事実である。十分評価に値する活動を
     デュラン・デュランは続けてきたのだ。しかし、その事実は認めるんだけど何か物足りない、
     それが何だったのか、答えがこの『アストロノート』にはある。ま、マジックとか化学反応とか
     言ってもいいけど(笑)、それはやはり実際にこの新作を聴いてみて判断して欲しいな。
     ほんと、是非聴いて下さい(こればっかし)
     くどいようだけど、昔からのファンにもデュラン・デュランを知らない世代にも絶対アピール
     するに違いないクォリティと時代性を備えたこの新作、何度も言うが(しつこい)、傑作で
     ある。本年度のNo.1アルバムは『アストロノート』で決まりっ!(爆)

NOTE 2004.11.22



 BOOKS大人たばこ養成講座
     ご覧になった事のある人も多いと思うが、一部の雑誌に掲載されているJTの広告『大人
     たばこ養成講座』が本になった(正確には、なっていた)。大人の作法を絵と言葉で解説
     する、なかなか小粋で楽しい広告で、僕も結構好きなもんだから、こうして一冊の本に
     まとめられるのは嬉しい。雑誌の広告なんて、いわば使い捨てみたいなもの、一回読んだら
     ほとんどの場合顧みられる事はない。雑誌に載る広告はアートで印象深いものも多いだけに、
     一回見たらそれきり、なんてあまりに寂しい。という訳で、この本の存在を知ってすかさず
     購入してしまったのである(笑) 著者のクレジットがないのだが、コピーは岡本欣也、
     絵は寄藤文平という人に依るものらしい。「結婚披露宴でのお作法」「美術館でのお作法」
     「ゲレンデでのお作法」など、雑誌に掲載された27編に、書き下ろし(?)の「AVレンタル
     でのお作法」「ラブホテルでのお作法」「芸者遊びのお作法」の3編を加えた30編、どれも
     爆笑とはいかないが、くすっとしてしまう控えめなユーモアのセンスとやや艶っぽいイラスト
     が実によろしい。こういうのを見てホッと一息、なんてのも現代人には必要だな。ちょうど
     一服のタバコみたいに(笑) タバコを吸うにも吸わない人にもお薦め、疲れた頭と心を
     休めるのに最適です。何よりも自他共に認める大人のあなた、是非読んでみて下さい。
     美術出版社より定価2000円(税込み)で発売中(笑)

NOTE 2004.11.17



 MUSICQUEEN ON FIRE LIVE AT THE BOWL
     この秋は期待の新譜や再発が目白押しなのだが、やっぱり本命はクイーンである(笑)
     1982年7月5日ミルトンキーンズでの伝説のライブが、ついに公式にCDとDVDでリリース
     された。発掘音源とはいえ、リイシューではない新譜である。クイーンの新譜なんて、
     何年振りだろうか...(涙) 何をどう言っても「素晴らしい」「カッコいい」としか言葉が
     出てこないので(爆)、あまり長々と感想を書き連ねるのは止めておく(自爆)
     この年行われた『ホット・スペース』を引っさげてのツアーの最終日が、7月5日のミルトン
     キーンズだった訳で、とにもかくにも気合の入った演奏が楽しめるのだ。もう既に「ウィー・
     ウィル・ロック・ユー」「伝説のチャンピオン」で締める黄金のパターンがお約束となって
     いるのだが、そういった定番曲に混じって『ホット・スペース』からの曲が聴けるのが、
     なんといっても嬉しい。実にカッコよく決まっている。ヒット曲のオンパレードも良いが、
     その影でライブで演奏されなくなった曲も多い訳で、ファンとしてはそういうのも聴きたい
     訳で、その点では大満足。相変わらずフレディもテンション高いし、CDで音を存分に堪能
     したら、次はDVDで映像に酔いしれなくては(笑)
     ま、くどくど書かなくても皆さんは分かって下さると思うので(爆)、これ以上は言わないが、
     『ジュエルズ』ほど売れてないなんてのはどうでもよく、過去のライブ音源が公式にリリース
     される事を喜びたい。出来れば毎年一枚づつ出して欲しいな(爆) 次は是非70年代の
     ライブをお願いしたい。『伝説のチャンピオン』が登場する前のがいいなぁ。1976年の
     ハイドパークなんてどうだろう?話題性も十分で(ファンの間では)盛り上がること間違い
     なしと思うのだが。しかし、こんな素晴らしい音源をこともあろうにCCCDで出すとは東芝
     EMIは何を考えてるのか。僕は非CCCDの米ハリウッド盤を買ったのだが、的外れな
     思い入ればかりの鬱陶しいライナーもなく、ブックレットもひたすら写真だけでよろしい(笑)
     これから、この『Queen On Fire』を購入しようという方には、米ハリウッド盤をお薦め
     致します(笑)

NOTE 2004.11.12



 MUSICHARMONIUM/VANESSA CARLTON
     デビュー・シングル「A Thousand Miles」が全米TOP10ヒットとなり、グラミー賞
     にも主要部門でノミネートされるという幸先の良いスタートを切ったバネッサ・カールトン
     であるが(ただ、グラミー自体はノラ・ジョーンズが主要4部門総なめにしてしまった為、
     受賞はならなかった)、ついに待望の2ndアルバムの登場なのである。鮮烈だった
     デビュー作に勝るとも劣らない素晴らしい出来であると、最初に言っておこう(笑)
     デビューアルバムでプロデューサーを務めたロン・フェアは、本作ではバネッサと共に
     エグゼクティブ・プロデューサーの位置につき、代わってプロデューサーとしてクレジット
     されているのはステファン・ジェンキンスという人物で、サード・アイ・ブラインドのフロント
     マンらしいのだが、4曲をバネッサと共作し、ほぼ全曲で演奏に参加するという活躍振り。
     バネッサが現在最も信頼を置いている人物だそうで、確かにデビュー作で見せた彼女の
     魅力はそのままに、新たな一面も引き出しているように思う。特に二人の共作による冒頭
     の3曲にそれは窺える。シングルとなった一曲目の「White Houses(リンジー・バッキ
     ンガムが参加しているそうだが、聴いてるだけでは分からない)」にしても、バネッサらしい
     ピアノのフレーズから始まるのだが、前作では聴かれなかったポップな展開を見せており、
     ヒット性十分。末期癌の少女と出会った経験を元に書かれたという3曲目の「Annie」も、
     決してテーマほど重苦しくはなく、格調高い一級のポップソングに仕上がっている。対して、
     バネッサが単独で書いた曲は、前作で見せた雰囲気をそのままに、やや幻想的ともいえる
     バネッサの世界に浸る事が出来るし、もう言うことなし。一聴すると陰鬱なようでも、
     ひたすら落ち込んでいく感じでもないのは、やはりアメリカ人だからだろうか(笑) そして、
     ボーナストラックとして収録されている「Where The Streets Have No Name
     (言わずとしれたU2のカバー)」が、これまた素晴らしい出来なのだ。あの特徴的なギター
     のリフをピアノでやってしまおうという発想が実にプログレッシブである。これは是非一度
     聴いてみて頂きたい。
     それにしても、2枚目のジンクスをものともせず、こんな傑作をものにするあたり、やはり
     バネッサはただ者ではない。デビューしていきなり売れたからといって、妙に迎合したり
     せず、自分の世界を貫き通したのが成功の要因であろう。典型的な、我が道を行く、と
     いうタイプだと思われるが、その幻想的とも言える格調高い世界をずっとキープし続けて
     欲しいものだ。

NOTE 2004.11.7


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