DISCO CHAMPION(VA)
先日、ブログで欲しい欲しいと連呼して、結局買ってしまった(笑) 70年代のディスコヒットを集めた
コンピである。もちろん、日本編集らしい。そりゃそうだ、こういうのは外国では作るまいて(笑) タイ
トルも『ディスコ・チャンピオン』とカタカナで書いた方が雰囲気出るなぁ(爆)
という訳で、曲名聞いただけで誰でも知ってるディスコヒットてんこ盛りなんである。「ハッスル」「ジン
ギスカン」「愛がすべて」「YMCA」「誘惑のブギー」「ブレイ・ザット・ファンキー・ミュージック」と、涙が
チョチョ切れそうな懐かしの名曲のオンパレード。しかし、なんといっても目玉は「ソウル・ドラキュラ」
でしょう(笑) この一曲の為に購入を決意したと言っても過言ではないのだ。はめんにょ。
ま、定番曲の他、キッスの「ラビン・ユー・ベイビー」が収録されてたりするのが面白い。「君の瞳に
恋してる」「愛のコリーダ」とかの、80’sディスコはおまけって感じ。「ミッキー」なんて、今聴くとゴリエ
しか浮かんでこないぞ(爆) それと、実は初めて聴いたのだが、ファンキー・ビューローの「クラップ・
ユア・ハンド」という曲がなかなか良い。これは収穫。バンザイも2曲収録されてるが、これも良かった。
「セクシー・バス・ストップ」は、ディスコには違いないが、厳密には洋楽とは言えないと思うけど、
まぁいいか(笑)
という訳で、老いも若きもこのCDを聴いて、楽しく明るくどこかいかがわしい70’sディスコの世界に、
どっぷりと浸かって頂きたいと思うのである(笑)
NOTE 2006.10.6
SONGLINES/THE DEREK TRUCKS BAND
こちらも前回のストリング・チーズ・インシデントと同じく、オールマンズ繋がりで知った。というか、
レコードコレクターズ9月号のオールマンズ特集を読むまで知らなかった(笑) 名前の通り、デレク・
トラックスというギタリストのリーダーバンドなのだが、この人オールマンズのオリジナル・メンバーで
あるブッチ・トラックスの甥で、早くからギターに才能を発揮し、10歳の時には自分のバンドを組み、
12歳のときには既にギター弾いてお金を貰っていたらしい。自分の親世代のようなメンバーとリー
ダーバンドを結成したのが10代後半、そこで活動を続けながらオールマンズの一員となって名前が
知られるようになり、今年のエリック・クラプトンのツアーメンバーにも抜擢されたそうな。絵に描いた
ような早熟ぶりである(笑) 1980年生まれというから、今年26歳か...(-_-#)
と、まぁそれはともかく(笑)、そのデレク・トラックス・バンドの今年出た最新作である。初めて聴いた
訳だが、確かにデレクは才能豊かなギタリストと思う。オールマンズ繋がりというのではないが、デュ
アン・オールマンをふと思い出した。スタイルが似ているというのではなく、年齢の割には成熟した
プレイを聴かせる、という所で連想してしまったのだ。でも、デュアンの残したサザンロックの精神は、
デレク・トラックス・バンドに間違いなく受け継がれているとみた。ブルースやR&Bをベースにファン
キーなテイストも加えて、表情豊かな演奏が楽しめる。難を言えば、ちょっとボーカリストが弱いかな。
でも、アメリカンロック界期待の星である事は間違いないだろう。これからも頑張って、古くて新しい
アメリカン・ロックを堪能させて欲しい、とオジサンは思うのである(笑)
そんな訳で、もし今年のクラプトンの来日公演に行かれる人がいたら、サポートの若いギタリストも
要注目ですぞ(笑)
NOTE 2006.10.1
ON THE COVER/THE STRING CHEESE INCIDENT
近頃、アメリカではジャム・バンドというのが人気らしい。その名の通り、ライブでジャムを繰り広げる
バンドを指すようだが、今でも現役のオールマン・ブラザーズ・バンドも老舗のジャムバンドとして、
高く評価されているそうな。で、ここに紹介するストリング・チーズ・インシデントも、そういったジャム
バンドのひとつらしい。ほんと、何も知らなくて申し訳ない(笑)
彼らは、既にデビューして10年以上経つそうだが、このアルバムは日本編集とのことで、ライブでの
カバーばかりを集めたアルバムだ。その幅広い選曲には感心する。ジャムバンドの大先輩オール
マンズの「ジェシカ」の他、スティービー・ワンダー、ボブ・ディラン、レッド・ツェッペリン、ボブ・マーリー、
イーグルスと呆れるくらい、色々なのを取り上げている。それらを、独自の解釈で料理している訳
だが、これがなかなかに面白いのだ。ほとんどブルーグラスになってしまったエアロの「ウォーク・ディス・
ウェイ」なんて、思わず笑ってしまう。悪ふざけなんかではない、実験精神旺盛なバンドとみた。なんて、
単に好き放題やってるだけかもしれないが(笑)、それにしても見事である。オリジナル曲も聴いて
みたくなった。
全体的にはリラックスした雰囲気に溢れていて、オールマンズみたいな緊張感はないけど、聴きやす
くて良いのではなかろうか。なんか、ほんとライブが楽しそうなバンドだ。クレジットを見ると、来日も
してるようで、本当に不明を恥じる次第である。もっと色々勉強せねば(笑)
NOTE 2006.9.24
IDLEWILD SOUTH/THE ALLMAN BROTHERS BAND
という訳で、またオールマンズを買ってしまった(笑) こちらは、彼らの1970年に出た2ndである。
全7曲収録で、演奏時間トータル30分ちょっと、と短いけど、中味は濃い。オールマンズの場合、
やはりライブでこそ、その真価が問われるバンドと言われているし、実際彼らのライブはいい。その
せいもあり、オールマンズのディスコグラフィーの大半はライブ盤だし、実は僕も持ってるのはライブ
盤の方が多かったりする。しかし、『イート・ア・ピーチ』の所でも触れたけど、オールマンズは演奏能力
だけでなく、優れたソングライティングと多様な音楽性をも併せ持ったバンドであり、スタジオ録音盤
を聴く方が、そこいらはよく分かるのだ。よくある、ライブはいいけどスタジオ盤は面白くない、という
バンドではない。なので、これからオールマンズを聴いてみようという人は、スタジオ盤も聴いてみる
事をお薦めします。
で、このアルバムだが、とにかく佳曲揃いである。サザンロックというよりウェストコーストみたいな
感じの「リバイバル」(しかし、イントロ長い^^;)、カッコいいリフのブルースロック「ドント・キープ・ミー・
ワンダリン」、レイドバックした雰囲気に絡んでくるスライドがたまらない「ミッドナイト・ライダー」、
ライブでもお馴染み、ジャズやラテンの要素も感じられるインスト「エリザベス・リードの追憶」、静かに
力強く歌うグレッグが素晴らしい「プリーズ・コール・ホーム」、アッと驚くファンキーな雰囲気の「リーブ・
マイ・ブルース・アット・ホーム」とオリジナル6曲どれも捨て曲なし。一曲入ってるブルースの「フーチー・
クーチー・マン」もカッコいい。ほんとに、この頃から既にオールマンズが、ブルースの枠を飛び越えた
バンドであった事がよく分かる内容だ。「エリザベス・リードの追憶」なんて、サンタナがやってもおか
しくないような曲だし。ツインドラムによるリズムも多彩だし、それでいて男臭いロックなんである。
なんとも素晴らしい。改めてオールマンズの凄さを思い知る一枚である。
NOTE 2006.9.17
EAT A PEACH DELUXE EDITION/THE ALLMAN BROTHERS BAND
今なお根強い人気を誇るサザン・ロックだが、その代表格といえば、やはりオールマン・ブラザーズ・
バンドでしょう。90年代に入って3度目の再結成を果たして以降、若く有能なメンバーを補充しながら、
相変わらず精力的にツアーしているそうだ。その、オールマンズが1972年に発表した名盤の2枚組
デラックス・エディションがこれである。LPでは2枚組だった『イート・ア・ピーチ』をディスク1に収録し、
ディスク2には1971年6月の“フィルモア最後の日”に出演した時の演奏が収められている。これは
買いですぞ(笑)
ま、オールマンズの成功を受けて、いわゆるサザン・ロックとして世に出たバンドもたくさんいた訳だが、
現在でもオールマンズがサザン・ロックを代表する存在として高い人気を誇っているのは、他のバンド
にはなかったソングライティングの上手さと洗練された音楽性、そしてメンバーの卓越した演奏技術
による所が大きい。実際、久々にこの『イート・ア・ピーチ』を聴いてみて、改めてそう感じた。この
アルバム、前述したように、LPでは2枚組だったのだが、かなり変則的な内容になっていて、それと
いうのも、レコーディング中にギタリストのデュアン・オールマンがバイク事故で亡くなってしまった
からなのだが、LPのA面にデュアン抜きの録音、C面にデュアン存命中の録音(ライブ音源含む)を
それぞれ収め、B面とD面にはライブ録音による長尺ジャム・セッション「マウンテン・ジャム」を分割
して収録、という構成だった。初めて聴いた頃は、A面とC面はともかく、「マウンテン・ジャム」が退屈
に感じられて、飛ばして聴いてたりしたのだが(笑)、CDでは分割された「マウンテン・ジャム」が一曲
にまとめられ、なんとノーカット33分にも及ぶ大曲になっている。が、今聴いてみると、意外と面白い
のだ。こういうジャムって、ブルース・セッションみたいなソロ回しでもなく、ジャズのインプロビゼーション
とも違い、テーマやだいたいの構成が決まっていて、そんな中で演奏者がアドリブを交えて好きな
ように展開させていく、というもので、一応楽曲になっているのであり、故に個人の技量・センスだけ
でなく、バンドとしての連携もとても大事なのだ。オールマンズは、こういった条件を全て備えていた
からこそ、「マウンテン・ジャム」のような長尺ジャムも飽きずに聴ける訳で、やっぱり凄い。始まって
から終わるまでずっと同じテンポをキープしてるので、緊張感が持続され、2本のギター・オルガン
だけでなく、ドラムのソロも盛り込んで(ツインドラムは、こういう時強い)、ほんとにスリリングで飽き
ない。何故昔は退屈に感じたのか、不思議になってしまうくらい(笑) また、ジャムだけでなく、スタ
ジオ録音のオリジナル曲も素晴らしい出来で、デュアン亡き後の決意表明ともとれる「時はもう無駄に
出来ない」とか、ブルース感覚にカントリーフレイバーも加味した「スタンド・バック」「ブルー・スカイ」
なんて、大げさでなく名曲・名演である。ホントよ(笑)
本作のもうひとつのウリは、ディスク2の“フィルモア最後の日”のライブだ。かの伝説のライブハウス、
フィルモア・イーストが閉店する際、その最後の営業日にオールマンズが出演した時の演奏なんだけど、
確かに余裕綽綽の演奏ぶりだけど、やはり『フィルモア・イースト・ライブ』の方がいいかな。しかし、
貴重な音源であり、在りし日のデュアン・オールマンのプレイが聴ける、という事でやはり買って損は
ない(笑)
ま、とにかく、久々に聴いたオールマンズ、やっぱり良い。しばらくハマってしまいそうだ(笑)
NOTE 2006.9.10
THE SINGLES EPIC YEARS 1980−2004/佐野元春
ブログでも触れた、佐野元春のエピック時代のシングルを完全網羅した2枚組である。完全網羅と
謳う割には、「Christmas Time In Blue」や「僕は愚かな人類の子供だった」が入っていない
ではないか、と思ったけど、よく見りゃ、“12インチ、スポークンワード等を除く”と書いてある。ま、
それなら仕方ないか(笑)
しかし、こうして彼の20年以上の歩みを辿ってみると、やはり才人である事を再認識させられる。
初期の頃は、英語を多用する歌詞や歌い方が軽薄に思えてあまり聴いてなかったけど(後年、佐野
元春は英語を使う人、というイメージを持たれているらしいというので、あえて日本語のタイトルを
つけるようにした、とライナーに書いてある)、『Visitors』以降は本当に素晴らしい。さりげなくフック
を効かせた曲作りといい、アイデアは斬新だけど変に凝ったりしないアレンジといい、多少意味不明
な部分はあるにせよ印象に残る言葉といい、ロックンロール創生期から続いてきたポップソングの
伝統を頑なに守り続けているソングライターだ。そういった方法論を手段として使うのではなく、完全
に血肉にしてしまっているのが、彼の凄い所だろう。誰にもマネ出来ないオリジナルな、しかも日本語
の歌としてのスタイルを確立してしまったのである。熱心なファンが多い割には、フォロワーみたいな
のが出てこないのは、佐野元春があまりにもオリジナルな存在であるからに他ならない。故に、なん
となく孤高の人みたいなイメージもあるけどね。ま、そんな(どんな?)佐野元春の世界を存分に味わ
えるシングル・コレクションである。音楽性もさることながら、恋愛だけでなく青少年の素直な心の叫び
やポリティカルな意見をも伝えようとする歌詞も素晴らしいので、お聴き逃しのないように。ただ、スト
レートなようなそうでないような、ってな感じなので伝わりにくいかもしれないが(笑)
それと、このCDには、佐野元春自身がライナーを書いているのだが、この人も自分の音楽について
語りたがる人だね。大瀧詠一、山下達郎と同類だな。この3人に共通するのは...マニアだって事
かな(爆)あと、ボーナストラックとして、「ガラスのジェネレーション」の2006年再録バージョンが
収められているが、これは佐野元春のボーカルとピアノだけはオリジナルの音を使っているらしい。
どうせなら、今の佐野元春にこの曲を歌って欲しかったな。“つまらない大人”にはならなかったのか
どうなのか、本人に検証して貰うためにも(爆)
NOTE 2006.9.2