最近のお気に入り
(バックナンバー34)
CD、小説、映画など流行に関係なく、また新旧を問わず
最近気に入ったものを紹介します。
=音楽関係
=書籍関係
=映像関係
SAY YOU WILL/FLEETWOOD MAC
こちらも大ベテランだ。でも一応、新譜(笑) 発売されたのが2003年なので、既に5年経っている(苦笑)
現段階での新譜、というべきか(笑)
という事はどうでもよく(笑)、そのフリートウッド・マックの新譜を、今頃聴いたのである。いや、当時も
出た事は知ってた。1997年のMTVでのライブ・アルバム『ザ・ダンス』で、あの『噂』のメンバーが
勢揃いして、ビルボードのアルバム・チャートで一位になり、大いに盛り上がって、そのまま活動を
始めたけど、スティービー・ニックスが2001年にソロ・アルバム出した時、「もう、ミック(・フリート
ウッド)と一緒にやる事はない」なんて決別宣言したりして、結局このメンバーで続けていくことはない
のか来日して欲しかったのに、なんて残念がってた所への新譜のニュースだったから、そりゃ僕だって
気になっていたのだ(笑) しかし、新譜のメンバーは、スティービーは復帰したけど、逆にクリスティン・
マクヴィーがいない、という事で、ちょっとがっかりして、せっかくの新譜も聴く気が失せてしまった、
という次第。異論はあろうが、僕はフリートウッド・マックの全盛期は70年代半ばからの約10年間、
アルバムで言うなら『ファンタスティック・マック』から『タンゴ・イン・ザ・ナイト』まで、と思っている。
つまり、バッキンガム・ニックス時代という訳だ。その時期のメンバーが再集結した、というのだから
期待もするが、一人でも欠けると物足りない。そんな訳で、長らく未聴だった『セイ・ユー・ウィル』、
遅ればせながら聴く気になったのは、マック・ファンで知られる盟友りんじぃさんがくれたCDに、この
『セイ・ユー・ウィル』の曲が数曲入っていて、それがどれも素晴らしい出来だったから。やはり、つま
らんこだわりは捨てるべきだったようだ(笑)
と、さらにどうでもいい話が長くなったが、『セイ・ユー・ウィル』素晴らしい。クリスティンがいないと
いう事で、完全にリンジーとスティービーの双頭体制で作られたようだが、何が良いって、まず曲が
良い。リンジーの才能は枯れていなかったみたいで嬉しい。スティービーも、下手するとソロ・アルバム
より数段良い曲書いてるんじゃないか、って気がする。音の感触も、昔のままだ。16年ものブランク
があったなんて信じられない。間に2〜3枚あったと思うけど、僕にとっては『タンゴ・イン・ザ・ナイト』
に続く新作って感じ。ヘンに落ち着いてしまったり、逆に若いのに色目使ったりというのも全然なく、
唯一無比のフリートウッド・マックの世界がここにある。『噂』と並べて聴いても違和感ゼロだと思うよ。
つまり、あの頃のマックが好きな人なら、絶対に満足する内容だということ。お薦めです。って、皆さん
既に聴いてるんだろうけどね(爆)
まだ聴き込んでいる訳でもないので、あーだこーだ細かい事は書けないけど、聴けば聴くほどのめり
込んでしまうアルバムだろう。『ファンタスティック・マック』や『タンゴ・イン・ザ・ナイト』がそうだった
ように。で、今聴いて思うのは、やっぱり5年前に聴いてれば良かった、という事かな(爆)
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NOTE 2008.3.11
FORE!/HUEY LEWIS & THE NEWS
こっちもまたブログネタにしたのだが、ヒューイ・ルイス&ザ・ニュースがこの春シカゴと共に来日し、
ジョイント・コンサートを行なう。で、結局行く事になった。ヒューイ・ルイスは、20年程前に来日した時、
テレビでそのステージを見ただけなのだが、それが非常に素晴らしかったので、今回はイヤでも期待
してしまうのだ。20年前と、声が変わったりしてないか、それがちと心配だが(笑)
という訳で、そのヒューイ・ルイス&ザ・ニュースの1986年発表の大ヒット・アルバムを買ってしまった(笑)
あの頃よく聴いてたなぁ。カセットだったけど(笑) 前作『スポーツ』と共に、80’sアメリカン・ロックを
代表するアルバムと言っていいと思う。というか、こういうロックをやってたバンドは、当時も少なかった
ような気がする。大らかで明るくてルーツロックの香りもあって...『スポーツ』よりも、そんないなたさは
この『FORE!』の方が上かもしれない。「ホール・ロッタ・ラビン」「すべてを君に」「アイ・ネバー・
ウォーク・アローン」「愛しき人々」などなど、彼らの魅力を存分に堪能できる曲が並んでいる。そして
何より、ラストを飾る「シンプル・アズ・ザット」、個人的には本アルバム中イチオシの名曲だ。いくらでも
派手に出来そうな曲だけど、大らかさは感じさせるものの、ゆったりとした感じに仕上げているのが
素晴らしい。こういう曲こそライブで聴きたいが、多分やってくれないだろうな(笑)
てな訳で、来日しようとしまいと関係なく、一家に一枚の名盤でしょう。聴くごとに、あの頃を思い出す
と同時に、来日公演にも期待してしまうのは確かなんだけどね(笑)
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NOTE 2008.2.26
THE BEST HITS 100 SUPER 80’s(VA)
先日、ブログにも書いたが、ユニバーサルから洋楽ファンなら涙を流して喜ぶコンピ・シリーズが出た。
60’s、70’s、80’s、90’sそれぞれの年代のヒット曲集、及び“大人の”と題されたディスコ、映画
音楽、イージーリスニングを集めたものと、合計7種類が発売されていて、いずれもCD5枚組で100曲
収録、しかも値段は3980円と、正に破格である。いやほんと、洋楽ファンなら“買い”でしょう。で、
僕は80’s編を買ったという訳。いやいや、選曲も価格も文句なし。いい買い物させて貰いました(笑)
いつもは、レコード会社が何の工夫もなく、売れるからという理由だけで次々と繰り出す腐れコンピを
批判してはいるが(笑)、こういう良心的なコンピだって、作ろうと思えば作れるのだ。もっと早くやれば
いいのに(笑) 他社も是非追随して貰いたい。ユニバーサル編に続き、ソニー編、ワーナー編、EMI編
などに期待するものである(笑)
という訳で、CD5枚で100曲、懐かしくも新しい80年代ヒットのオンパレードである。案外、今では
聴く事の出来ない曲も多く収録されているのが嬉しい。ユニバーサルの音源しかないけど、これだけ
バラエティに富んだ選曲が出来るのはさすがだ。複数曲が収録されているアーティストもいて、例えば
クール&ザ・ギャングとかボビー・ブラウンとかスイング・アウト・シスターとかなんだけど、正に80’s
を代表する人たちでもあり、今にして聴いてみると、どの曲も素晴らしい。僕は、当時ボビー・ブラウン
ってあまり知らなかったんだけど、案外可愛い声してたのね(爆) 見た目と随分違うなぁ(爆) 後に、
ホイットニーにDVを働いた、なんて信じられない(爆)
前述したように、CD5枚組なんだけど、それぞれのCDに「ディスコ・ヒット編」「80’sボップ編」「アダ
ルト・ポップ編」「バブル・ヒット編」「ロック・ヒット編」とタイトルが付いていて、「バブル・ヒット編」なんて
80年代後半の曲を集めていて、曲調といい音といい、いかにもって感じで、却って笑えるくらい。
なかなか楽しく聴けます。
てな訳で、全ての洋楽ファンにお薦め。余計な解説が付いていないのもよろしい(爆)
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NOTE 2008.2.11
PIECES FROM MANTICORE
〜THE BEST OF PREMIATA FORNERIA MORCONI〜
ご存知の通り、当サイトでは洋楽やらJ−POPやら、あれこれテーマを決めて、不定期にしりとり大会
を催している訳だが、そのテーマに沿って高得点単語(いわゆるボーナス)などを設定する為に、
曲目やら何やら色々と調べていると、そのアーティストが聴きたくなってCDを買ってしまうケースが
よくある(笑) 今回紹介させて頂くPFMもそうだ。このベスト盤は、タイトル通りELPが設立した
マンティコア・レーベルから発表したアルバムからセレクトされたもので、日本編集らしい。
PFMといえば、イタリアのプログレ・バンドなのだが、このマンティコア・レーベルから世界デビューを
果たし、一時期はアメリカでも結構な人気だったらしい。確かに、僕が洋楽を聴き始めた70年代中頃
には、雑誌でも頻繁に広告を見かけたし、『チョコレート・キングス』というアルバムは、ジャケットが
当時愛読していたFMfanの表紙になった事もあって、よく覚えている。そんな世界的な成功を収めた
時期のアルバムからのベスト・セレクションな訳で、ま、悪かろうはずはあるまい、と思っていたが、
やはりなかなか良かった。PFM自体は、マンティコアと契約する前から本国イタリアでは人気だった
らしいし、何回か休止期間があったとはいえ、現在も活動中らしいので、今回初めてPFMを聴いた
僕が、マンティコア時代を全盛期などと言うつもりはないのだが、でもやっぱりよろしい。どちらかと
いうとイエスのような構築系で、クラシカルな雰囲気やジャズ的な要素も取り入れて複雑に構成された
大作志向の楽曲を、高度なテクニックと音楽性でスリリングに聴かせるという、言うなれば当時の
プログレのおいしい所を寄せ集めたサウンドと言っていかもしれない。マンティコア時代は歌詞は
英語というのもあり、他の人気バンドたちとの決定的な違い、というのは見つけにくいけど、イエスが
そうだったように、長い曲も飽きずに聴けるし、叙情的なメロディはさすがカンツォーネの国イタリア、
なんて感じもあるし(笑)、世界中で人気を集めたというのが納得できる。実に素晴らしい。他のアル
バムも聴いてみようかしらん。いつも言ってるけど、こういうのを聴くと、70年代のロックは凄かった
んだ、と改めて思ってしまうのである(笑)
しかも、ある時期から日本で洋楽といえば英米のミュージシャンしか紹介されなくなってしまったけど、
この70年代中期は、英米と並べて、仏伊独西といったヨーロッパ各国の音楽がフツーにラジオでも
かかってたし、雑誌に取り上げられる事も多かった。そういった時代だったからこそ、イタリアのPFM
も日本のファンが接する機会も多く、評価も高かったのだろう。今じゃ、英米以外の音楽を聴いてる
なんていうと、マニア扱いされてしまうもんな。CDもなかなか手に入りにくいようだし(苦笑)
そんな、送り手にとっても聴き手にとっても幸福な時代に生まれた音楽は、30年以上を経た今に
なっても、色褪せる事はないのだ。と、PFMを聴きながらしみじみと思うのである(笑)
所で、PFMとは“ブレミアータ・フォルネリア・マルコーニ”の略だそうだが、どういう意味かというと
“選ばれたマルコーニという名のパン屋”なのだそうな(笑) なんかイタリアらしいネーミング、という
気もするなぁ(笑)
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NOTE 2008.2.9
THE VERY BEST OF THE 5th DIMENSION
フィフス・ディメンションである。男3人女2人からなるコーラスグループ。1960年代後半から70年代
にかけてヒット連発、2曲の全米No.1ヒットあり。ま、要するに、かつては一世を風靡したヒットメーカー
だった訳だが、現在ではそれほど知名度が高いグループとは言えない。実際、僕も1977年に「星空
の二人」の全米No.1ヒットを放ったマリリン・マックー&ビリー・デイビスJr.の夫婦デュオが、フィフス・
ディメンションのメンバーだった、というのを知っていた程度(それも、後になってから)。当然ながら、
リアルタイムでは全く聴いた事がなかったけど、どういう訳か名前は知っていた。前述の「星空の二人」
がヒットする前からだ。何故かというと、昔愛読していたFMfanという雑誌に連載されていた「ミリオン
セラー物語」というコラムに、何回か登場していたからなのだ。その時、取り上げられた曲は「ビートで
ジャンプ」「輝く星座」「ウェディング・ベル・ブルース」だったかな。ジミー・ウェブやローラ・ニーロと
いった人たちの才能に早くから注目し、立て続けにヒットさせたグループでもあった。ま、スリー・ドッグ・
ナイトみたいなグループだった訳だ(笑) もっとも、その頃は、「ミリオンセラー物語」の記事を読んで、
フィフス・ディメンションよりも、曲を取り上げられたローラ・ニーロの方に興味を持っていた。自分の
レコードはヒットしないのに、他の人が取り上げるとヒットするなんて、一体どんな曲を作っているのだろう、
なんて思ったのだ(笑)
と、まぁ、関係ない話はともかく、フィフス・ディメンションのベスト盤だ。前述の3曲をはじめ、収録
された22曲のうちTOP10ヒットが7曲、他もほとんどが20以内に入ったという、見事なヒットメーカー
ぶり。曲の方も、有能なソングライターの曲ばかりを選んでいたというだけあり(ニール・セダカやバート
・バカラックの曲ある)、粒揃いである。いわゆる“ソフトロック”というのか、メンバーが全員黒人なのに、
黒っぽくないサウンドもよろしい。時代のせいか、サイケデリックとかフラワームーブメントという言葉
をつい連想してしまう音であるが、そこもまた魅力である。逆に言えば、そんな中道路線や時代を
感じさせる音(古臭いという意味ではない)のせいで、現在ではそれほど評価されていないのだろう。
惜しいことではあるが、オリジナル・アルバムも廃盤ではなく、入手可能らしいし、こうしてベスト盤も
聴く事ができる。嘆くことはないのかも(笑) 実際、僕もフィフス・ディメンションをちゃんと聴いたのは
初めてだけど(「ビートでジャンプ」「輝く星座」は、昔のエアチェックテープに入ってたので知ってた)、
結構気に入ってしまった。ソフトではあるが、甘ったるくはなく、非常に心地良い。一度耳にしただけ
でのけぞってしまうような曲はないが(笑)、じわじわと効いてきて何度でも聴きたくなる、そんな雰囲気だ。
個人的には「Go Where You Wanna Go」「(Last Night)I Didn’t Get Sleep At All」
「Ashes To Ashes」あたりが好みかな。もちろん、ローラ・ニーロ作品もよろしい。このベスト盤には、
ローラの曲が5曲収録されているが、どれもちょっと聴いただけでローラと分かってしまう、いわば
アクの強い曲ばかり。本人のバージョンよりも、フィフス・ディメンションの方が聴きやすくなってるけど、
それでもかなり個性的。楽曲が自己主張してる。ローラ・ニーロという人の凄さを、改めて思い知った次第。
てな訳で、お分かりの人もいるかな。実はローラ・ニーロのカバーを聴きたくなって、このベスト盤を
買ったのだが、ローラ以外の曲も含めて大当たりだった。やはり、一時代とはいえ、立て続けにヒット
を飛ばす、というのにはちゃんとした理由があるものなのである。バカにしちゃいけません(笑)
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NOTE 2008.1.22
異界/鳥飼否宇
知らない人である。横溝正史賞作家らしい。この『異界』は、20世紀初頭の和歌山県田辺地方を
舞台に、南方熊楠が探偵役として活躍する、一風変わったミステリーだ。で、南方熊楠って誰だっけ?
という人もいると思うので(実は僕もその一人^^;)、そういう人はこちらをどうぞ(笑)
とある海辺の小さな村で、嬰児誘拐事件が起こる。ひょんなことから熊楠とその弟子が事件に首を
突っ込む事になるのだが、それが殺人事件に発展し、狐憑き伝説や狼信仰も絡んでややこしい展開
を見せる。最後は、熊楠が見事な推理で解決、という訳だが、推理云々より熊楠が博識だけど変人
というキャラで描かれているのが、なかなかに面白い。トリックに関しては、さほど成功してるとは
思えないし、ラストにも疑問が残るけど、熊楠をはじめとする登場人物のキャラクターがいいし、時代
背景や舞台設定のせいか、伝奇小説のような趣もあって、それはそれで楽しんで読める。前述した
ように、この鳥飼否宇という人は横溝賞を受賞しており、かなり横溝正史に影響された作風という事
だが、この『異界』を読む限りでは、横溝ほどおどろおどろしい雰囲気はなく、カラッとした感じがする。
ま、たまには違ったミステリーを読んでみたい、という人にはお薦め、ってとこかな(笑)
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NOTE 2008.1.19
キマイラの新しい城/殊能将之
この人は前から凄い人だと思ってたけど、やっぱり凄い。この『キマイラの新しい城』を読んで、改めて
そう思った。今までにも、ミステリーという形態でありながら、アッと度肝を抜く小説を書き続けてきた人
な訳だが、本作はなんと、750年前の殺人事件の真相を解き明かしてしまおう、というとてつもない
コンセプトであり、尚且つ現代でも同時進行で殺人事件が起こり、しかもその750年前に殺された
騎士が成仏できずに、生身の人間に取付いて自分の死の謎を追い求める、という、またもや本格派
のミステリーファンからは、総スカンを食いそうな設定なのである。あまり、ああだこうだと説明するのは
良くないので、とにかく読んで頂きたい(笑)
という訳で、内容には触れられないのだが、いつものことだけど、人物設定が絶妙である。例の、
750年前に殺された騎士といい、その周囲の連中といい、現代の殺人事件を捜査する刑事といい、
殊能作品ではお馴染みの名探偵石動戯作と助手のアントニオといい、『鏡の中は日曜日』から登場
した、これまた名探偵の水城優臣といい、出てくる人すべてが秀逸なキャラの持ち主ばかりである。
そんなキャラたちが、周到に構築されたストーリーの中で動き回る訳で、まぁ面白くない訳がない(笑)
プロット、ストーリー、登場人物、とどれも完璧なのだから。こんな凄い小説を書く人なのに、殊能将之
の知名度が、あまりにも低いのは解せない。寡作だからだろうか。いや、そういう問題ではないな。
決して、マニアでなければ楽しめないような世界ではないし、いつも言ってるけど(笑)一度読んで
みれば絶対にハマると思うのだが。こんな凄い、というか、とにかく面白い小説を知らずに人生終える
なんて、あまりにも勿体ない。食わず嫌いは良くないですよ(って、誰に言ってんだ)
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NOTE 2007.12.28
HEROES & THIEVES/VANESSA CARLTON
ピアノ弾き語りのシンガー・ソングライター、バネッサ・カールトンの3年ぶりの3作目である。レコード
会社を移籍したそうだが、確かに前作まではA&Mから出ていたけど、今回はユニバーサル・モータ
ウンからの発売だ。つまり、日本ではどちらのレーベルでも販売元は同じ、という訳なんだけど、日本
発売はないらしい。解せんな(笑)
デビュー・アルバムで既に自分の世界を確立してしまっていた人だけに、本作でも大きな変化はない。
印象的なピアノのフレーズに独特のあの声、そして摩訶不思議なメロディ展開。これぞバネッサという
世界。個性がはっきりしているのは良い事だけど、3作目にしてここまでゆるぎない世界が確立されて
しまっている、というのも将来を考えると、やや心配になる(笑) マンネリに陥るのも早いんじゃないか、
なんて(笑) 余計な心配だけど(笑)
と言いつつ、聴き惚れてしまう。相変わらず良い曲書いてるし。ブックレットが絵本みたいになってて、
ファンタジー的要素の強い曲が多いのだろうか。気のせいか、以前より明るい曲調が増えたような
気がする。デビュー・アルバムで聴く事のできた、内省的というか陰影のある曲というのは、あまり
聴かれない。この辺は賛否両論だろうけど、僕はいいと思う。タイトル曲やオープニングの「Nolita
Fairytale」「Home」といった曲の出来がいい。スティービー・ニックスと共演してるのも驚き。言われて
みれば、共通するものがあるかも。案外この年代の女性歌手に、スティービーの影響が感じられたり
するのが面白い所だ。やっぱり、憧れのロック・クイーンだったんだろうか。
しかし、最初に聴いたインパクトも強烈で、しかもじっくり聴いてもじわじわと効いてくるなんて、やはり
只者ではない。もっと、たくさんの人にバネッサ・カールトンを聴いて貰いたいものだ。コンピの定番と
なってしまった「A Thousand Miles」だけの人ではない、という事を分かって貰わねば(笑)
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NOTE 2007.12.13
虚貌(全2巻)/雫井脩介
最近、『犯人に告ぐ』が映画化されて話題の雫井脩介の、初期の長編である。いわゆるミステリー
というか、クライム・ノベルと帯には書いてあるけど(笑)、とにかく面白いの一言。舞台は名古屋を
はじめとする中部地方、20数年前に岐阜で発生した一家放火殺人事件を発端に、その主犯格と
された男が刑期を終えて出所したのを機に連続殺人事件が発生。かつて、放火殺人事件を担当し、
今は定年間近となったベテラン刑事が、最後のヤマとばかりこの連続殺人事件を追いかける。
実は、かなり大胆なトリックを使っていて、発表当時は賛否両論あったらしいのだが、多少気には
なるものの、トリック云々よりストーリーの展開に引き込まれてしまうので、結果としては良いのでは
なかろうか(意味不明)。確かに、こんなトリックが成立するのなら、ミステリーどころか、犯罪そのもの
が大きく変わってしまうけどね(笑) ま、この手の小説を紹介する場合、一番おいしい部分を言って
しまうわけにはいかないのが、毎度の事ながらじれったいけど(笑)
てな訳で、詳しい事は言えませんが(笑)、とにかく面白いのでお薦めです。書店で見かけたら、
是非手に取ってみて下さい。決して損はさせません(笑) またしても、レビューになってなくて
申し訳ない(爆)
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NOTE 2007.12.3
LONG ROAD OUT OF EDEN/EAGLES
なんとイーグルスの新作である。1994年の『ヘル・フリーセズ・オーバー』以来だが、純然たるスタジオ
録音の新作という事になると、1979年の『ロング・ラン』以来28年ぶりだ。28年!思えば長い年月
である(笑) しかも2枚組21曲(ボーナストラック含む)という大作だ。長生きはするものである(笑)
で、その中味はというと、長い間待たされただけの事はある、と言っておこう。相変わらずのことだが、
まず曲がよろしい。ドン・ヘンリーとグレン・フライが中心になって書いている曲が多いが、ティモシー・
シュミットもジョー・ウォルシュも頑張っている。J・D・サウザー、ジャック・テンプチンといった人たちの
曲も取り上げているが、どれもイーグルスのカラーになっていていい感じである。「ハウ・ロング」とか
「享楽の日々」とかが並ぶDisc1は、いかにもイーグルス=ウェストコーストって雰囲気。なんとなく、
センチに流れる曲調が多いような気がするが、これは仕方ない所なのか。なんたって、28年振り
だからね(意味不明)
が、Disc2になると雰囲気が変わる。アルバム・タイトル曲は、例の同時多発テロに題材を取った
そうだが、この曲をはじめ、シリアスな雰囲気だ。70年代のイーグルスとは、ややイメージが違って
いる。こちらの方がリアリティを感じるかな。イーグルスのブランドに捉われず、今やりたい音楽を
やってます、いう感じがする。彼らだって、イーグルスが解散した後も活動を続けてきた訳で、バンド
はなくともずっと現役だった。当然、様々な変化はあったろう。考えてみれば、30年近くも同じ事を
やり続るはずもない訳で、そんな現在のイーグルスが聴けるのがDisc2という訳なのである。そう
いう点では、個人的にはDisc2の方がいいと思った。正直言うと、かつてのイメージを守っている
(というか、守り過ぎ^^;)Disc1には、あまり未来を感じられない。悪くはないけど。僕は、前作の
『ヘル・フリーゼス・オーバー』が好きで、結構聴いてたけど、それはそこに収録された新曲(もちろん、
その時点での)の出来が良く、とても未来を感じさせたからなのだ。久々の活動再開だけど、しっかり
前を向いている姿勢が見てとれた。だから、あの時のイーグルス再結成に期待したのだ。けど、そう
いったものは、今回のDisc1にはあまり感じられない。残念だけど。28年ぶりの新作がDisc1だけ
だったら、大いに失望しただろうな。なので、Disc2には救われた思いだ(笑)
という訳で、賛否両論あれこれあるだろうけど、僕はDisc2をお薦めします。なんたって、28年ぶりで、
ファンの期待も大きいだろうから、かつてのイメージを壊す訳にはいかないし、かといって昔の名前で
出ています、と思われるのも避けたいし...なんて葛藤があった末での2枚組なのだろうけどね。
それはそうと、今回の邦題はちとひどいと思いませんか? 「明日はきっと晴れるから」「戻れない二人」
なんて、洋楽につけるタイトルじゃないでしょう。フォークかよ。「宇宙の中心で愛を叫ぶ」ってのも
勘弁して欲しかったな。近頃は、レコード会社でも有能な広報マンは不足してるんだろうか?
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NOTE 2007.11.24