最近のお気に入り
(バックナンバー1)
CD、小説、映画など流行に関係なく、また新旧を問わず
最近気に入ったものを紹介します。
=音楽関係
=書籍関係
=映像関係
NO HEAVY PETTING/UFO
またまた何故かUFOなのである。先日『Lights Out』を買ったのだが、とても良かった
ので、さらに一枚買ってしまった訳だ。知らない人のために少し解説すると、UFOは70
年代初頭にデビューしたイギリスのハードロックバンドで、あのマイケル・シェンカーが在
籍したことでも知られている。人気としては、ツェッペリン、パープル、サバス、といった老
舗バンドに大きく水をあけられ、2番手3番手に甘んじていたが、マイケルのようなギター
ヒーローもいたし、やや下世話な噂話を提供したこともあって、決して話題にものぼらな
いようなバンドではなかった。「ドクター・ドクター」や「ライツ・アウト」などのように、スタン
ダードになっている名曲もある。70年代終わり頃に出たライブアルバムも日本では大人
気で、結構ファンの多いバンドだったのである。今改めて聴いてみても、良い曲作ってる
し、カバー曲のセンスも良く、仲々大した連中だったのだ。若い人はもちろん、70年代に
中高校生だった人も、是非聴いてみて欲しい。様式化する前のハードロックが持つ柔軟
な感覚は今でも新鮮です。要するに古臭くないのだな。特に、当時B級とされていたバン
ドが今聴くと意外とカッコよかったりする。次はスコーピオンズを聴いてみようかな。
このアルバムについて触れるスペースが無くなってしまった。「キャン・ユー・ロール・ハー
」聴きたさにこれを買ったのだが、昔は「電撃のロックンローラー」っていう邦題でシング
ル発売されてたことを知ってる人は一体どれ位いるのだろう?
NOTE 2000.2.27
GREATEST FLIX V/QUEEN
昨年11月に出た「グレイテスト・ヒッツV」のビデオ版。フレディが亡くなって既に8年以
上が過ぎ、あの頃は涙なくしては見れなかったフレディの映像も、今では割と冷静に見
られるようになった。悲しみも時が経てば忘れられる、ということか。もちろん、CDと同じ
で、クイーンの映像も常に興奮して見ているのたけど。
このビデオクリップ集を見終わって思うのは、残されたクイーンの3人がフレディ亡き後も
ずっとクイーンに関わり続けて来たのだなあ、ということ。なんだか気の毒になってしまう
。イギリスで行われた「20世紀最高のバンドは?」というアンケートで、クイーンはビート
ルズに次いで2位だったそうだ。それだけ栄誉ある国民的バンドのメンバーだったのだ
から、おいそれとバンドを封印し、思い思いの事を始めるなんて不可能なのだろう。で、
彼らは元クイーンとして公の場に揃って現れ、未発表音源を商品として完成させ、様々な
編集アルバムを作り、時にはレコーディングもし、ソロライブではクイーンの曲を披露し、
と今でもクイーンを愛し続けるファンの為に活動を続けて来た。でも、もういい加減彼らを
元クイーンの足枷から開放してあげてもいいんじゃないか、と僕は思う。ブライアン、ロジ
ャー、ジョンの3人は本当によくやってるけど、そろそろクイーンを卒業して好きなことを
思い切りやったらどうだろう。何したってフレディは帰って来ないし、クイーンの復活もな
い。未発表ライブ音源の発掘とかは、その道の専門家に任せておけばいいし。ならば、
彼らに変な期待をするのは止めて、新たに再出発して貰いたい。もちろん、クイーンでな
くても、僕は彼らを追っかけて行くつもりだが。なんてことを考えてしまいました。
所で、「プリンシズ・オブ・ザ・ユニバース」のヒデオクリップは今回初登場とライナーには
書いてあるけど、『カインド・オブ・マジック』発売時にテレビで放送されませんでしたっけ
? 僕は確かビデオに撮ってあるよ。
NOTE 2000.2.15
THE HUNGRY YEARS/NEIL SEDAKA
これは新譜ではなく、1975年に出たアルバムにボーナストラックを加えて去年CD化さ
れたものだ。当HPの「私選名盤100選」でもニール・セダカの『セダカズ・バック』という
アルバムを紹介しているが、その『セダカズ・バック』の次に出たのがこの『ハングリー・
イヤーズ』なんである。全米第一位の「バッド・ブラッド」やキャプテン&テニールがカバー
した「ロンリー・ナイト」などが聴き物だ。他にも佳曲揃いで、この頃のニール・セダカがい
かにノッていたかがよく分かる。70年代のニール・セダカは復活してヒットを連発した割
にはあまり評価が高くなく、この時期のレコードは仲々CD化されなかったし、やっとCD
化されたと思ったら、今度は手に入らない。置いてる店すらないのだ。探すのに苦労しま
したよ。ちなみに『セダカズ・バック』は町田のタワーレコード、『ハングリー・イヤーズ』は
数寄屋橋のHMVでそれぞれ見つけました。ま、とにかく良質なポップスである。歌も演
奏も良し。この時代のニール・セダカはもっと評価されるべきだ。
NOTE 2000.2.11
モンテ・クリスト伯(全7巻)/アレクサンドル・デュマ
いきなり、こんなのが出てくるのである。知ってる人は知ってるだろうが、かつて「厳窟
王」という邦題で紹介された大長編で、子供世界名作文庫、なんてのには必ず入ってた
ので、小学生の時読んだことある人も多いのでは。無実の罪で投獄された船乗りエドモ
ン・ダンテスが、脱獄して自分を陥れた人達に復讐する物語だ。で、これがまた面白いの
である。僕も小学生の時、子供向けに書かれたのを読んですっかり夢中になってしまっ
た口で、一度完訳を読んでみたいものだ、とずっと思っていたが、やっと果たせた訳であ
る。本編に色々なエピソードが絡んできて少々ややこしいのと、セリフが時代がかってい
るのとで、最初は読みにくいとは思うが、慣れてくれば何て事ない。とにかく、脱獄後巨万
の富を得て、モンテ・クリストと名を変え、社交界に乗り込んでいくエドモン・ダンテスのス
ーパーマン振りが痛快だ。復讐はちゃんと果たされるから、安心だし。19世紀に書かれ
てベストセラーになったという娯楽小説、子供にだけ読ませておくのは勿体ない。岩波文
庫から出てます。
NOTE 2000.2.10
ELECTRIC/PAUL RODGERS
ついに出ました。ポール・ロジャース約3年振りの新作である。悪かろうはずがない。
何故ならポール・ロジャースだからだ。僕はこの人が大好きで、フリティッシュ・ロック界
が生んだ最高のボーカリストの一人であると思っている。そんな人のアルバムであるから
良いに決まっているのだ。聴いてみれば、誰にも真似できないロジャース節が頭から炸
裂する。確かに、ワンパターンかもしれない。このアルバムも、別に新しい試みとかは全
然なく、今までと変わらぬポール・ロジャースがいる。少し声が枯れてきたかな、という感
じはするが、そこがまた渋いのである。情感たっぷりの歌いっぷりも健在。前作と同じメ
ンバーによるバンド(ドラムはCharと一緒にやってたジム・コプリーだ)もいい音を聴か
せる。要するに、どこを切っても渋くカッコ良くちょっといなたいポール・ロジャースの世
界なのだ。いつまでも歌い続けてアルバムを作り続けて欲しい、と切に願ってしまう僕な
のであった。
NOTE 2000.2.7
LIVING LEGEND/聖飢魔U
何を隠そう、僕は実は年末の29日に聖飢魔Uのミサを参拝しに、NKホールへ行って
来たのである。で、ミサそのものがとても良かったので、このアルバムを買ってしまった
訳である。仲々いいです。僕は常々聖飢魔Uはありとあらゆるパターンのハードロック
を駆使して、日本語のハードロックを作る純音楽的なバンドであると思ってきたが、この
ラストアルバムもその期待通りの出来映えである。技術的には高いものを持っているし
曲もカッコいいので、最後まで飽きることなく聴ける。彼らの場合、あのメイク(素顔?)
にせよイメージにせよ、パロディっぽいので、啓蒙的な所がなくCDに於いては音楽の
みを楽しめるのではないかと思う。歌詞も作り物っぽいし、彼らがマジでメタルの伝道者
なんかにならなかったから、ここまでやって来れたのでは。長い間お疲れさまでした。
ちなみに、聖飢魔Uのミサはうちのバンドのギタリスト(熱心な信者です)から誘われた
ものです。TOM君、どうもありがとう、だけど知ってる曲は3曲だけでした。
NOTE 2000.1.6
RECYCLE Greatest Hits Of SPITZ
いゃあ〜、買ってしまいました。巷で評判のスピッツのベスト、悪かろうはずがありませ
ん。特にファンでもない僕があれこれ言っても意味ないので止めときますけど、やはり
「チェリー」は名曲だ。「楓」も素晴らしい。もちろん、他の曲もすごく良い訳で文句のつ
けようもない、正に文字通りのベスト盤なのだ。ファン以外の人もこれらの名曲群の前
ではひれ伏すしかないのでは。曲自体もさることながら、簡素だが効果的なアレンジ、
バンドサウンドもまた渋い。褒める以外に何を言え、というのか。何も言いようがないの
で、このアルバム収録曲は10年後も間違いなく、今と変わらぬ輝きを保つであろうこと
を私は断言して、ペンを置く。
NOTE 1999.12.26
本能/椎名林檎
結局、気になってしまってこのマキシシングル、買ってしまった。前の「ここでキスして。」
もそうだったが、この人の曲は最初はいいと思わなくてもだんだん聴きたくなってしまう
のだ。これ、もしかしたら、すごいことなのでは。などと思いつつ、聴いてみたら、やはり
良い。タイプの違う3曲、ロック歌謡な「本能」、一見のどかなポップス「あおぞら」、そして
「輪廻ハイライト」はなんとジャズ調だ。まだ若いのに、色々知ってるなぁ。感心した。
この人が売れる、というのはちょっと不思議(悪いと言ってる訳ではない)で、どんな人が
聴くんだろうと思ったりする。ただ、「本能」もそうだが、売れ線ではないが、ツボは押さ
えてるという感じがあって、僕にとってはそこがすごく引っかかってるのだ。やはり、大
した才能なのだろう。アルバムも聴きたくなってしまった。
NOTE 1999.12.23
青の炎/貴志祐介
僕が今最も注目している作家がこの貴志祐介である(僕に注目されてもうれしくない
だろうが)。この人の作品、とにかく面白いのだ。僕の知る限りこの『青の炎』が5冊目
のはずだが、デビューから3年程の間に5冊しか本を出していないにも関わらず、
小説を面白く読ませるコツ、というか、読者を引きずり込むテクニックを完全に会得し
ている、という感じがする。とにかく、この人の小説を読み始めるとすぐ登場人物に
“入って”いってしまうのだ。そして、その登場人物と一体になったままラストまで一気に
行ってしまう訳ですね。それに、テーマも毎回興味深い。『青の炎』は、男子高校生が
殺人を計画し、実行に移し、そして計画が破綻していく、という筋だが、彼が殺人を
決意するまでのプロセス、いざ実行に移す時の逡巡、実行後の恐怖とも焦りともつか
ない気持ち等々、リアルな心理状態がさも自分のことのように感じられる。やや意外
だったラストも含め文句なし。現役高校生の日常が分かりやすく書かれてるのもいい。
是非、読んで下さい。まさに小説とはこうあるべき、という見本のような娯楽作品だ。
NOTE 1999.12.19

CRYSTAL PLANET/DOUBLE
1999年5月、ブレイク直前にお姉さんの方がくも膜下出血で亡くなってしまった悲劇
の姉妹デュオだが、『Crystal Planet』は姉SACHIKOさんの死後出たアルバム
『Crystal』収録曲のリミックス、未発表デモテイク等を収めたCDとビデオクリップや
オフショットを収録した20分程のビデオをセットにしたもので、これでなんと3000円!
(税抜き)というお買い得品だ。「Shake」のビデオクリップ目当てで買ってしまった
のだが、さすがに美人姉妹と評判だっただけあって、ビデオクリップもオフショット
映像も非常に楽しめる。CDの方もとてもセクシーな雰囲気が立ちこめていて、これぞ
R&Bだな、などと妙に感心してしまった。また、筒美京平作曲の曲もあり、これがまた
R&B風味の歌謡曲に仕上がっていて素晴らしい。やはり、筒美京平はすごい。この
路線で行っても面白かったように思う。デモテイクはTLCなど洋楽のカバーなのだが、
これを聴くとただきれいでセクシーなだけでなく、かなり実力派だったことが分かるし、
ほんと惜しかったなとあらためて思った。
最後になりましたが、SACHIKOさんのご冥福を心よりお祈り致します。
NOTE 1999.12.4