最近のお気に入り
(バックナンバー37)
CD、小説、映画など流行に関係なく、また新旧を問わず
最近気に入ったものを紹介します。
=音楽関係
=書籍関係
=映像関係
MOONMADNESS/CAMEL
ブログにも書いたけど、先日とあるプログレ・セッションで、キャメルの「Rhayader〜Rhayader
Goes To Town」を演奏したのである。いやいや、やると決まるまで、全然聴いた事ない曲だった
けど、聴けば聴くほど良い曲だ。という訳で、最近キャメルがマイ・ブームなんである(笑)
その勢いで買ったのが、キャメル通算4作目にあたる『Moonmadness』である。これがまた素晴ら
しいのだ。リリカルなメロディに、派手ではないが堅実で流麗な演奏。構成もアレンジも巧みで、長い
曲が多いけど飽きさせない。特に「Song Within A Song」「Lunar Sea」が素晴らしい。後者は、
ベースラインが引っ張る展開で、延々と続くフレーズが耳を離れない。また、ほとんどキーボードに
よる小品「Spirit Of The Water」もはかなく美しい。正に名盤、キャメルの絶妙のセンスが光る
アルバムと言ってよかろう。
他のアルバムも聴いて感じたのだが、キャメルの場合、キーボードのピーター・バーデンスの存在が
大きい。ギターのアンディ・ラティマーのバンドみたいだけど、実はキーボードが肝なのである。キャメル
に限らず、この手のプログレに分類されるバンドには、必ず有能なキーボード奏者がいる。リーダー
であろうとなかろうと、自分で曲を書こうと書くまいと、ソロを弾こうと弾くまいと、アレンジや演奏面に
おいて、重要な位置を占め、そのフレーズや音色や和音が、曲やバンドの印象を決めるのだ。ちょっと
違う音色を選択したただけで、曲の印象は大きく変わる。これはギターの比ではない。キャメルも
ピーター・バーデンスがいてこそのバンドだと思う。となると、バーデンス脱退後のアルバムには、
なんとなく興味持てなかったりして(聴いてないけど...笑)
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NOTE 2009.3.23
犯罪小説家/雫井脩介
雫井脩介の作品は何冊か読んでいるが、面白いんだけど、なんというか、ストーリーがミョーな展開
を見せる事が多かったりする。意外な展開と言えば、そう言えなくもないが、なんとなく肩透かしを
喰らったような気になる事もある。この『犯罪小説家』もそんな感じ。一種のミステリーと思って読んで
いくと、いつの間にか違う方向に行っている。それが成功しているのかどうか、読んだ人の判断に
任せるしかないが、ラストの思ってもみなかった展開に驚かされたのは確か。う〜む、こういうオチ
だとは...なんつーか、不思議な作家である(笑)
新進気鋭の小説家、待居涼司の『凍て鶴』がクライム文学賞を受賞し、映画化の話が持ち込まれる。
監督は小野川充という、これまた売り出し中の脚本家である。小野川は『凍て鶴』を絶賛するものの、
作品中に作者である待居ですら気づかなかった解釈を見い出し、待居を自説に誘導しようとしていく。
そして、それはひたすらエスカレートし、映画のアイデアは、次第に原作とは違う方向に向かい始めて
いく。と、この辺りまでは、怖いもの知らずで才気溢れる小野川が、ある種の偏執狂みたいな感じで
描かれるのだが、小野川の示唆で、とあるインターネットの自殺サイトが浮上し、調査をとあるフリー
ルポライターに依頼するところから、雰囲気が違ってくる。最初は主人公と思われた待居が、段々と
怪しげな存在となり、物語の視点がルポライターに移っていくと、もうなんだか分からない、一体ラスト
はどうなるんだ、とそちらが気になりだすのである。そして意外な結末。なるほど、こうくるか、みたい
な感じ。ある意味、一貫性のないストーリー展開みたいに思えるが、雫井脩介の持ち味はこれなのだ、
と思えば納得もできる。そこいらで評価が分かれるかもしれない。結局どうなるんだよ?という興味
だけで、最後まで引っ張っていくのはフェアではないのかもしれないが、こういうのもアリかな、と
思わせるものもある。やっぱ、不思議な作家だ(笑)
という訳で、褒めてるのか何なのか、よく分からんけど(笑)、一度読んでみて欲しい作家ではある。
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NOTE 2009.3.12
聖なる黒夜(全2巻)/柴田よしき
思えば、僕が柴田よしきという作家を知ったのは、“女刑事RICOシリーズ”だった。破天荒というか
型破りというか自由奔放というか、とにかく個性的な女性刑事・村上緑子を主人公にしたこのシリーズ、
『女神の永遠』『聖母の深き淵』『月神の浅き夢』の3冊が出ているが、どれもひたすら面白い。主人公
はじめ登場人物の魅力だけでなく、ストーリー展開も見事で、ミステリーとしても一種の恋愛物としても
一級品。そのRICOシリーズに登場した脇役たちによる物語が、この『聖なる黒夜』である。RICO
シリーズよりも過去の話のようなので、後日談ではなくプロローグといった所だろうか。あまり深く
語られる事のなかった登場人物たちが活躍する訳だが、RICOシリーズを読んでなくても面白い。
物語は、新宿の高級ホテルのスイートで、ヤクザの大物の死体が発見されるところから始まる。
明らかに他殺。目撃者もなく、舎弟やSPたちも、部屋から遠ざけられていた。用心深いはずのヤクザ
の親分が、護衛も付けずに密会していた人物は誰なのか? 捜査を担当する麻生刑事は、この親分
の身近に、自分が10年前に逮捕して実刑を受けた山内練という男がいるのを知る。刑事と犯人、
10年ぶりの再会。殺人事件の謎を追いつつ、麻生と山内の不思議な関係と葛藤も、ストーリーの軸
になる。現在(この小説では1995年)と過去が交錯する構成で、登場人物たちには、その過去が
現在と密接に結びついている訳で、二重三重にも張り巡らされた伏線が、ややこしいながらも見事で
ある。殺されたヤクザの親分は、実に複雑な人間関係を持つ人間で、そのせいか、多少混乱して
しまう部分もあるが(笑)、テンポよく読み進む事が出来るので、あまり気にならない。意外かつショッ
キングな犯人といい、ミステリーとしても上出来。長いのも気にならない。ただ、男色の描写が多いので、
そっち系が苦手な人は、ちょっと戸惑うかも。実は、僕もそうなんだけどね(笑)
という訳で、とても面白いのでお薦めである。これを読んだら、その次はRICOシリーズもよろしくね(笑)
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NOTE 2009.2.19
日出処の天子(全7巻)/山岸涼子
以前ブログでもネタにしたが、少女マンガって結構侮れない。テーマは多岐に渡っているし、深い
内容の物も多い。僕は、まともに読んだ少女マンガというと、美内すずえの『ガラスの仮面』と池田
理代子の『ベルサイユのバラ』くらいなのだが、機会があればあれこれと読んでみたいのもあり、
中でも山岸涼子という人は気になっていた。少女マンガの事は詳しくなくても、情報だけは入って
きたからだ。で、前述のブログをきっかけに、ついに読んでみたのが、この『日出処の天子』である。
とにかく面白い。凄い。久々に時の経つのも忘れて読み耽ってしまった(笑)
有名な作品であるので、内容をご存知の人も多かろう。聖徳太子を主人公にした物語である。ま、
本作の中では、厩戸皇子であるが(笑)。その、歴史上有名な聖徳太子こと厩戸皇子が、超能力者
であり同性愛者であり有能な施政者であり、という設定。実際、ここに描かれる厩戸皇子のなんと
美しいことか。正直言うと、聖徳太子といえば、かつての一万円札の肖像を思い出してしまう僕から
すると、全くイメージの異なるキャラクターになっている。そんな厩戸皇子と有力豪族の息子である
蘇我毛人の妖しくも捉えどころのない関係を軸に、歴史上の人物や事件を絡めてストーリーは進行
する。恋愛物としても読めるし、歴史マンガとしても実に面白い。厩戸の毛人に対する道ならぬ想い
も悲しいし、彼が皇族や豪族たちを翻弄し、施政者としてのし上がっていく過程もドラマチックだ。
美しく聡明で博学で気品があり孤独で時に冷酷な厩戸皇子が、とにかく魅力的。読んでるうちに
恋してしまう少女がいるのも無理はあるまい(笑)。個人的には、兄・毛人への想いを断ち切れず、
騙す形で毛人の子を身籠る刃自古が、あまりに切なくて涙してしまったが^^;
と、うまく説明出来ないのが、いつもながらもどかしいが(笑)、とにかく何度でも読み返したくなる
面白さ。多少、登場人物の区別がつき辛い、というのはあるが(笑)、そのうち気にならなくなる(笑)
実に凄い作品だ。少女マンカって、本当に侮れない。
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NOTE 2009.2.5
GREATEST STARS ON 45 VOL.1
今を去ること28年前(!)、時ならぬメドレーブームに、世界中が引っ掻き回されたことがあったのを
覚えておられるだろうか?(笑) 火付け役となったのが、オランダ(だっけ?)から出現したスターズ・
オン・45と名乗る連中である。このスターズ・オン・45、バスドラ4つ打ちとハンドクラップという単純な
ビートに、ビートルズの曲のおいしい部分を乗っけてメドレーにし、なんと全米No.1ヒットにしてしまった。
その後もアバ、スティービー・ワンダー、カーペンターズといった所をネタに、次々とメドレー・シングル
を繰り出し、ロイヤル・フィルハーモニック・オーケストラによるクラシックの有名曲をメドレーにした
「フックト・オン・クラシックス」やスイングをメドレーにしたスリー・シスターズなどの亜流を生み出し、
あろうことか、「ビーチ・ボーイズ・メドレー」や「ビートルズ・ムービー・メドレー」といった、本家の音源を
使った本家によるメドレーシングルまでもがヒット・チャートを上昇し、日本にまで飛び火して、当時まだ
売れてなかったTHE ALFEEによる「吉田拓郎メドレー」なんてものまでリリースされた。一体、あの
異常なまでのメドレー・ブームは何だったのか? 28年が過ぎた今になっても、誰も検証しようとしない
のが、実に不思議である(爆)
という訳で、スターズ・オン・45のベスト盤なのである。なんだかんだ言っても、僕もスターズ・オン・45
のメドレーが好きで(笑)、当時レコードは買わなかったものの、テープに録音してよく聴いてた。メド
レーの曲順まで覚えてしまったくらい(笑)。連中の凄いとこは、単にメドレーにするだけでなく、本物
そっくりのコピー演奏を作ってしまったことで、ビートルズ・メドレーなんて、当時も凄いと思ったけど、
とにかくよく出来ている。特に、ジョン・レノン。本物そっくり。聞いた話によると、オーディションまで
やって、そっくりに歌える人材を探したとか。お遊びみたいなメドレーに、ここまで凝るとは。見上げた
ものだ。全米No.1はフロックではない(笑)。
また、ビートルズの有名曲ばかりでなく、ちょっとシブめの曲も結構取り上げているのが、心憎い。
いきなり「ノー・リプライ」でメドレーが始まるなんぞ、フツーの人では考えつくまいて(笑) しかし、
そんな遊び心満載のメドレー、今聴いても実に楽しい。ビートルズ以外でも、アバなんかも実にそっくり
にやってるし、有名曲のイントロだけを繋げたメドレーも実によろしい。今なら、パソコンなどを使って、
本家の音源をサンプリングして切り貼りしたりなんかして、こういうのも素人があっさりと作ってしまう
のだろうが、テクノロジーが発達する遥か以前に、こういう事を手間暇かけてやってた連中がいた、
という事実に感動を禁じえない。なんでも、メドレーに使用するのは曲の一部分なのに、ミュージシャン
たちにはフル演奏させた、という話を聞いても、やっぱりプロの仕事だなぁ、と感激してしまうのだ。
ほんと、いい時代だったなぁ(また言ってる)。
つー訳で、スターズ・オン・45の「ショッキング・ビートルズ」、今だからこそ、お薦めである(笑)
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NOTE 2009.1.13
ニホンノミカタ−ネバダカラキマシタ−/矢島美容室
ただ今、ヘビー・ローテーションなのである(笑) 二ヶ月程前に発売されていたそうだが、僕が知ったのは
つい一週間前(笑) テレビ番組の企画からデビューしたグループとのことなので、テレビ見ない僕が
知らなくても当たり前か(笑) とんねるず&DJ OZMAがスカウト&プロデュースしたネバダの黒人
母娘3人組で、失踪した日本人の夫(父親)を探しに、日本へ来たらしい。ま、ここいらのバックグラウンド
については、僕が説明すると野暮なので(笑)、こちらをご覧下さい。
しかし、それにしても素晴らしい出来栄えだ。とある人に教えられてYouTubeでPVを見て以来、その
メロディと歌詞が、頭から離れなくなってしまった。CD買ってきてからも、飽きずに繰り返し聴いて
しまっている。シングル曲を、これだけ繰り返し聴いたのは、もしかすると電気GROOVEの「Shangri−La」
以来かもしれない(笑) ま、それほど素晴らしいという事なんである(笑)
いかにも古き良き時代のフィリーディスコ風歌謡、といった趣の曲だ。ストリングスがたまらんな(笑)
一瞬、筒美京平作曲かと思ってしまったが(笑)、なんとDJ OZMA作曲らしい。う〜む、なかなか
やるなぁ。そういえば、氣志團はどうしたんだろう? あ、別人だからいいのか(爆) それと、曲自体
もさることながら、よくよく聴いてると歌詞も良い。なかなかジーンとさせるものがある。人力による、
グルーヴィー&ファンキーな演奏もゾクゾクするし(青山純の名前もある!)、色物・企画モノと侮るなかれ、
実に質の高い作品に仕上がっている。PVもいいっすよ!(笑)
という訳で、ヘビー・ローテーション中なのである(爆)
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NOTE 2008.12.17
HOME FOR CHRISTMAS/SHERYL CROW
いよいよ来週はシェリル・クロウの来日公演である。そう、来日するのだよ。あまり盛り上がってない
みたいだけど^^; ま、近頃は、外タレ大物の来日も、話題になる事は少ないんだけどね。限られた
ファンだけが喜んでる、みたいな感じになってるような気が...
と、まぁ、それは置いといて(笑)、来日公演も目前に迫ったこの時期に、実にタイミング良くシェリルの
新作が発表された。といっても、クリスマス・アルバムなんで、いわゆる企画物だけど(笑) 正直な所、
シェリルとクリスマス・アルバムって、なんか結びつかない感じがするが(笑)、でもこれ、大変よろしい。
プロデューサーには旧知の友、ビル・ボットレルを据え、収録された11曲のうちオリジナルの新曲が
2曲、それ以外はスタンダードなクリスマス・ソングという内容だが、そのスタンダードなクリスマス・
ソングたちがシェリルならではのアレンジで生まれ変わっている。日本盤ライナーにも、「米国音楽の
コクをも感じさせる」とあるが、正にそんな感じ。少なくとも、今年の初めに出た『ディトゥアーズ』より、
こっちの方がずっとシェリルらしい、と思うのは僕だけではあるまい(笑)
という訳で、クリスマス・アルバムだし、あれこれ余計な事は言うまい。でも、良いです(笑) ミョーに
シリアスじゃないし(爆) 来週の来日公演も、こんな雰囲気だといいなぁ。是非聴いて下さい(しつこい)
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NOTE 2008.12.3
ONE EIGHTY/AMBROSIA
アンブロージアの1980年のヒット曲、「Biggest Part Of Me」は、文句なしの名曲である。当時、
この曲のドーナツ盤を買って、来る日も来る日も聴いたものだ。その「Biggest Part Of Me」が
収録されているのが、この『One Eighty』である。確か、邦題は『真夜中の晩餐会』だった。でも、
聴くのは初めて。つーか、アンブロージアって、前述の「Biggest Part Of Me」とそのB面の「No
Big Deal」それと1978年のヒット「How Much I Feel」くらいしか知らんのだ(笑) 何故今まで
アルバムを聴いた事なかったのか。分からん(爆) ま、「Biggest Part Of Me」があまりにも
素晴らし過ぎて、それ以上聴く気にならなかったのかも(なんちのこっちゃ)
という訳で『One Eighty』である。いつの間にか、アンブロージアはAORとして認知されるように
なっていたが、実はデビュー当初はブログレだった、というのも知られざる事実らしい。ま、僕もそう
思っていたけどね^^; 「How Much I Feel」を聴くまでは。アンブロージアにとって、初の全米
TOP10ヒットとなったこの曲といい、「Biggest Part Of Me」といい、確かにソフィスティケイト
されたオトナのポップスという感じだし、AORというカテゴリーに入れられてしまうのはやむを得まい。
所が、あれから28年(!)を経て聴いてみたアルバム『One Eighty』は、なんか違うのだ。AORと
言えばそうかもしれない。確かに、そういう曲もある。が、オープニングの「Ready」とか、ギターの
リフを前面に出したロック的な作りの曲も多いのだ。ハードとはいえないけど^^; また、キーボード
がソロをとる曲が目立つのだが、これがまたちょっと前のムーグみたいな音だったりして、AORと
呼んでしまうには、あまりにも違和感があり過ぎる。かといって、TOTOやブレイヤーみたいなタイト
な感じでもない。ラーセン=フェイトン・バンドみたいにフュージョンっぽくもない。まぁ、ギターは歪ん
でるけどハードではなく、キーボードもバリバリソロを弾くし、曲構成も結構凝ってたりする。なるほど
ブログレ出身というのも頷ける、と思いきや、カンサスやスティクスのようなタイプとも違う。決して
軟派な音ではないし、あえて言うならジノ・バネリに近いような気がするけど、ジノ・バネリほど超絶
技巧に走ってる訳でもないのだ。う〜ん、よく分からん。でも、分からんと言いつつも聴いてしまうの
であって、アンプロージア、恐るべし(笑)
このアルバムの後、アンブロージアがどうなったのかは、ちと分からない。けど、出自はプログレ
であるバンドが、もっとポップな方向にシフトしていって、けどポップに成りきることを潔しとしなかった、
その結果こういう境地に辿りついた、というのが『One Eighty』であるなら、この先生き延びていく
には、ひたすらAORに徹して、そのうち売れ筋バラードをヒットさせるしかなかったろうから、この辺
で止めておいた方が良かったのかもしれない。80年代は、なんだかよく分からん、というバンドは
売れなくなった時代でもあるのだから。
と、訳分からん、とは言ってるけど、なかなかに聴きやすいし、曲もいいしで、ま、隠れた名盤と言って
いいでしょう。多分、ベスト盤だとAOR的側面ばかりが強調されてると思うので、アンブロージアを
聴くなら、オリジナル・アルバムがお薦めです。って、僕も『One Eighty』しか聴いてないんだけど(笑)
でも、「Biggest Part Of Me」は永遠の名曲です。これ重要(爆)
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NOTE 2008.11.25
WHO’S THAT GIRL(OST)
あのマドンナ主演映画のサントラである。確か、日本公開は1988年だったかな。このサントラは、
その前年に出ていたはず。なぜ今、そんな昔の映画のサントラなのか。いや、別に意味はないんだ
けど^^;、このサントラ盤、マドンナの新曲が4曲収録され、タイトル曲は全米No.1になったりして、
かなり売れたはずなんだけど、マドンナのオリジナル・アルバムとはカウントされておらず、ここの
収録曲は、未だにここでしか聴けない。別に入手困難という訳でもないが^^; ま、その本サントラ
でしか聴けない曲、特に「Causing A Commortion」が聴きたくなって買ってしまったという次第。
ちなみに、BOOK OFFで250円でした(爆)
と、80年代から今に至るまで、常に第一線で活動を続け、その一挙手一投足が話題を呼ぶという、
押しも押されもせぬスーパースターになってしまったマドンナのキャリアからすると、主演作とはいえ、
この『Who’s That Girl』なるB級ムービーは、本人すら忘れてるくらいの作品だろう。汚点とまで
は言わないが(笑) 僕も見たけど、内容はほとんど記憶にない(爆) 確か、公開当時も不入りだった
のではないかな。サントラ盤は売れたけど。
が、しかし、このサントラ盤、意外と良いのである。前述したが、全9曲中マドンナの曲は4曲。オール
新曲だ。シングル・カットされた「Who’s That Girl」「Causing A Commortion」はもちろん、
他の2曲も大変出来がよろしい。この当時のマドンナは、1984年の『Like A Virgin』でスター
ダムにのし上がった後、1986年の『True Blue』もベストセラーにし、その人気を不動のものに
した頃で、とにかくノリまくって絶好調、そんな勢いがここに収録された4曲にも窺える。しかも、マドンナ
以外の5曲がまた良いのである。クラブ・ヌーボーとスクリッティ・ポリッテイしか名前知らないけど、
どれも軽やかなビートにキャッチーなメロディ、いかにも80’sなポップスで、ほんと聴いてて楽しい。
聴きやすいけど、かなり手の込んだ作りである事も分かるし、正に職人芸といった感じの曲ばかり。
いやいや、ほんと意外な収穫である。当時を思い出して懐かしく聴くも良し、20年前の作品という
先入観抜きで最新ポップスとして楽しむのも良し、これで250円は安過ぎる(笑)いい買い物した(爆)
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NOTE 2008.11.12
私の嫌いな10の言葉/中島義道
誰しも、耳にするのもイヤな言葉、というのが1つや2つはあるだろう。僕の場合だと、“感動をありが
とう”とか“自分探し”という言葉が、虫唾が走るほど嫌いだが、そういう一見“いい言葉”に対して、
公の場で批判的な発言をする人というのは、ほとんどいない。が、本書はそんな一見“いい言葉”を
叩くという、現代では珍しい読み物である。著者の中島義道という人、哲学者なのだそうな。不勉強
にも、この本を読むまで全く知らなかった。詳しくはこちらをどうぞ(笑)
という訳で、なかなか刺激的なタイトルである。こういうのを読みたかった、という感じか(笑)。ま、
だいたい想像はつくと思うが、著者である中島義道が嫌いな言葉、すなわち「おまえのためを思って
言ってるんだぞ」「胸に手をあててよく考えてみろ」「自分の好きなことがかならず何かあるはずだ」
といった、聞くだけで虫唾が走る、欺瞞に満ちた10の言葉を取り上げ、論考を試みている。というか、
この手の言葉及びこれを好んで使う人たちを批判している内容の本である。書かれている事、全て
に対して共感するものではないが、真っ向からこういう発言をする人には、なかなかお目にかかれな
いので(笑)、快哉を叫びつつ興味深く読ませて貰った。ちなみに、中島本人は、自らをマイノリティと
位置づけているらしい。ま、確かにそうだろうね(笑)。こういう事を思っている人は多いと思うけど、
実際に発言する人はいないからね(笑)
著者が問題にしているのは、こういった「おまえのために・・・」といった言葉に隠された欺瞞である。
常に他人に気を配り、思いやりを持っているように見せかけ、その実結局は自分本位な言葉(人)、
愛情に裏打ちされているように見える為、その裏にある欺瞞に気づいても、正面切って反論する事
がためらわれる言葉(人)、この言葉を発する人はいい人であり、発せられる人は悪い人である、
という無邪気な不条理が、自然と成立してしまう言葉(人)、なんかこう、書いてるだけでうんざりして
くるよね。本書でも看破されているが、その人がちゃんとしてくれないと、自分に迷惑がかかる、
だったら正直にそういえばいいのに、「おまえのために・・・」なんて偽善的な言葉を吐き、自己満足
に陥る“いい人”たち、しかもその欺瞞に自覚的でないのが、また始末が悪い。根っからの悪人や
嘘つきではなく、見かけいい人であるので批判もしづらい。ちょっとした“言葉の暴力”である。ほんとに、
何とかならないのか。まったく、住みにくい世の中だ(笑)
という訳で、読むと気分を害する人もいるだろうが(笑)、共感する人も多いはず。そういう意味では、
中島義道は決してマイノリティではない。文中にある、自らをマイノリティとする根拠について、
チャップリンを面白いと思った事は一度もない、という下りに僕は大いに共感したし(爆)
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NOTE 2008.11.3