日々の覚書



2004年
2月6日(金)

 昨日、出先で時間があったので、喫茶店でコーヒーを飲みながら本でも読もうと思い、まず本屋で文庫本を買った。乃南アサの『鎖』である。これは上巻と下巻に分かれているので、まず上巻だけを買い求め、それから喫茶店を探した。ドトールがあれば良かったのだが、見当たらないので適当な喫茶店へ。中に入ると昼下がりだったせいかどうか分からぬが、店内は中年女性ばかり。なんでだろう〜。

 で、席についてメニューを見ると、“くつろぎカップ”なんてのがある。ストレート及びアメリカンコーヒーに限り、50円追加すれば200ccの大きめのカップでゆっくりとコーヒーが楽しめるのだそうだ。時間に余裕があってゆっくりとくつろぎたい方にお薦め、なんて書いてある。ちょうど時間もたっぷりあったし、こりゃいいや、なんて思いその“くつろぎカップ”とやらを注文した。そして、さっそく買ってきたばかりの『鎖』の上巻を読もう、と最初のページを開いてみて愕然!

 なんと下巻だったのである。

 以前にもやってしまった事がある。上と下を間違えたのだ。情けない。十分注意して買ったはずなのに。一体何のために喫茶店に入って“くつろぎカップ”まで注文したのだろう。本を読むためではないか。上巻のはずが下巻では何の意味もない。下巻から読み始める訳にはいかないし。せっかくのくつろぎタイムが台無しである。このやり場のない怒りと虚しさをどこへぶつけていいか分からず(そりゃそうだ、自分が悪いんだから)、自己嫌悪に苛まれながらコーヒーを飲み干すと、再度僕は先程の本屋へ向かった。もちろん、『鎖』の上巻を買うために。

 再び本屋に入り、『鎖』が積んであった文庫本コーナーへ行ってみて、さらに驚いた。そこには『鎖』の下巻しか置いてなかったのである。普通、上巻と下巻は並べて置いてあるもんだが、そこには下巻だけが並べて置かれている。一番上だけかと思って、下の方も見てみたが、やっぱり下巻しかない。さっきは気づかなかったが、下巻の隣だから上巻だろう、と勝手に決めつけてレジへ持っていってしまったのだな、多分。で、仕方ないので、近くにいた店員を呼んで、『鎖』を指差しながら、上巻はないんですか? と訊ねた。そしたらその店員、僕と同じように積んである下の方も見て「あっ」と一声、すぐ在庫をしまってあるでっかい引き出しに飛んでいって、『鎖』の上巻を持って戻ってきた。なんのことはない、店員も上と下を間違えていたようだ。

 『鎖』の上巻を手に再びレジへ。さっきと同じ店員だったらやだなぁ、なんて思ったけど案の定同じ人だった。でも、気づかなかったみたい。「あの人、さっき下巻を買ったと思ったら、今度は上巻よ。間違えてたのよ、きっと。上と下を間違えるなんて、バカじゃないかしら」なとど、影で言われていないことを祈る。

 昨日は厄日だったのかもしれない。あの後、新幹線が遅れて寒いホームで震えながら30分も待つハメになったし。

 でも、今日はちょっといい事あった。会社帰りにコンビニであれこれ買い物したのだが、家へ帰ってきてレシートを見たら、セブンスターが入力されていなかった。ちゃんと袋には入れてくれたので、ただで貰ってきた事になる。

 ま、これで昨日と収支トントンか。ちょっと情けない。

 そういえば、今日の夕方頃からゲストブックにアクセス出来ない。厄続きなんだろうか?



1月18日(日)

 去年の暮れから今年にかけて様々なニュースが世間を騒がせているが、僕にとって目下の最大の関心事は、ズハリBSE問題である。例の、アメリカでBSE感染牛が見つかり、日本はアメリカ牛の輸入をストップしている、というあれだ。何故、そんなに気になるのかというと、もちろん牛丼が食べられなくなるかもしれないからだ(笑)

 アメリカ牛の輸入ストップを受けて、吉野家は去年の暮れに緊急会議を開き、今後の対応策を協議した。牛肉のストックはあるものの、現在のペースで消費すると今年の2月には底をついてしまう為、24時間営業を止め「特盛り」を中止するなどの処置をして当分は臨むが、輸入が再開されない場合、牛丼に代わる新メニューを開発するそうだ。既に一部店舗には見られる「親子丼」の他、「カレー丼」「海鮮丼」等に切り替えていくとのこと。たった一頭のBSE牛が、ここまで社会を混乱させているのである(笑)

 牛丼一筋の吉野家が、牛丼を販売できないなんて、正に死活問題だ。死ね、と言ってるに等しい。営業を停止する訳にはいかないから、他のメニューでしのぐしかないのはよ〜く理解出来るけど、吉野家でカレー丼、というのもなんかヘンだ。吉野家大丈夫だろうか?

 僕にとっても大問題だ。牛丼がなくなってしまうと、昼食の選択肢がひとつ減ってしまう。それ以前に、牛丼が食べられないのが悲しい。一時的な事なら我慢もするが、新聞報道等を見てると、なんだか牛丼という食べ物自体がなくなってしまうような錯覚さえ感じる。これは大変だ。なんとか、アメリカ牛の安全を確保して輸入を再開してくれないと、下手すると吉野家は倒産して、僕は牛丼が食べられなくなってしまう。以前のBSE騒動の時はイギリスだったし、牛丼には影響なかったから大して気にかけなかったが(焼き肉なんぞ食べられなくても、僕はどうってことないので)、今回はそうは言ってられない。心配で仕方がない日々が続いている。

 一日も早くこの問題を解決される事を熱望するものである。だけど付け刃は困る。大量の在庫を抱え込んでにっちもさっちもいかなくなっているアメリカのゴリ押しに負けてはならない。肉牛のチェック機構が異常に甘いアメリカのやり方を改めて貰わないと、安心してアメリカ牛(=牛丼)が食べられない。けど、長くかかりそうだなぁ...かつてのように牛丼を食べられる日が来るのは、いつのことか...



1月4日(日)

 ついに2004年になってしまった。今年もよろしくお願いします。

 で、新年初更新なんであるが、やや遅いけど私選2003年度ベストアルバムを紹介させて頂きたいと思うのである。今回は頑張って(笑)10枚選ばせて頂いた。順位は別になく、アルファベット順に並んでいる。ジャケ写をクリックすると、僕が「お気に入り」に書いたレビューを見ることが出来ます。






America Life
/Madonna
Birdland
/Yardbirds
Do It For Love
/Daryl Hall
& John Oates
Everything Must Go
/Steely Dan
Hootie &
The Blowfish





In The Pursuit
Of Leisure
/Sugar Ray
Jeff
/Jeff Beck
My Private Nation
/Train
Valensia's
Queen Tribute
The Well's On
Fire
/Procol Harum

 当然ながら全て新譜である(笑) 旧作ではプロコル・ハルム、キンクスあたりにハマってしまった。

 昨年はビージーズのモーリスが亡くなる、という個人的にはショッキングな出来事があったけれど、今年も様々な人や出来事、そして音楽に出会うのだろう。それを楽しみに過ごしていきたいと思うのであります(笑)



2003年
12月22日(月)

 今年の夏頃から今月初めまで、東芝EMIが運営するクイーンのオフィシャル・サイトで「2003年クイーン・ベストソング・ランキング」なる企画があったのをご存知だろうか? ま、ファンでなければ知らないだろう(笑) タイトルからもお分かりの通り、好きなクイーンの曲を3曲投票する、要するに人気投票だ。この度投票が締め切られ最終結果が発表された。ファンでなければ、何の興味もないだろうが(笑)、ここにその1位から20位までを掲載させて頂く(ほんとは50位まで掲載されていたのだが、中間発表でも20位までしか載せなかったし、21位以下はかなり票が散っているものと判断して、20位までとします)。

  1. ボヘミアン・ラプソディ/BOHEMIAN RHAPSODY
  2. 愛にすべてを/SOMEBODY TO LOVE
  3. ドント・ストップ・ミー・ナウ/DON'T STOP ME NOW
  4. キラー・クイーン/KILLER QUEEN
  5. 伝説のチャンピオン/WE ARE THE CHAMPIONS
  6. ショウ・マスト・ゴー・オン/THE SHOW MUST GO ON
  7. ウィ・ウィル・ロック・ユー/WE WILL ROCK YOU
  8. マーチ・オブ・ザ・ブラック・クイーン/THE MARCH OF THE BLACK QUEEN
  9. ラヴ・オブ・マイ・ライフ/LOVE OF MY LIFE
 10. 永遠の翼/SPREAD YOUR WINGS
 11. 炎のロックン・ロール/KEEP YOURSELF ALIVE
 12. アイ・ワズ・ボーン・トゥ・ラヴ・ユー/I WAS BORN TO LOVE YOU
 13. '39/'39
 14. オウガ・バトル/OGRE BATTLE
 15. 輝ける7つの海/SEVEN SEAS OF RHYE
 16. マイ・ベスト・フレンド/YOU'RE MY BEST FRIEND
 17. 懐かしのラヴァー・ボーイ/GOOD OLD-FASHIONED LOVER BOY
 18. 輝ける日々/THESE ARE THE DAYS OF OUR LIVES
 19. セイヴ・ミー/SAVE ME
 20. RADIO GA GA/RADIO GA GA

 くどいようだが、ファンでない人からすると「ふ〜ん」ってなもんだろう。しかし、僕のようなファンからすると、実に興味深い結果になっているのだ。クイーンのファンになって早や四半世紀以上(!)、様々なファンの人を見てきたけど、ファン心理というのは確実に変わっているようだ。で、この最終結果を見ながら、あーだこーだと色々考察してみたいと思うのである(笑)

 1位になった「ボヘミアン・ラプソディ」これは順当なとこでしょう。ファンでなくても異論はないものと思われます(笑) が、驚いたのは2位と3位。「キラー・クイーン」や「伝説のチャンピオン」を押しのけてこの2曲がベスト3に入るとは予想もしなかった。そりゃもちろん、どっちもいい曲だし僕も好きだ。けど、クイーンを代表する名曲とか大ヒット曲とかいうイメージが薄い。ラジオなどの通り一遍のクイーン特集では、割愛されてしまうような曲だと思う。なのにこの人気!やはりコアなファンが投票するとこうなる、という良い見本だね。「愛にすべてを」に「ドント・ストップ・ミー・ナウ」どちらもかなりクイーン色というかフレディ色が強い曲だ(トゥー・マッチなくらい)。熱心なファン以外にはややとっつきにくいかも。ま、「ドント・ストップ・ミー・ナウ」は近年CMで使われる事も多いので、若い人にもウケているのかもしれないけど。でも、この2曲については20年以上経ってもこんなに人気ある、なんて昔は想像もしなかった、というのが正直な所である。

 20位内に入った曲を眺めていてすぐ気づく事がある。それは、圧倒的に70年代の曲が多い、ということ。年季の入ったオールドファン(推定30代後半から40代前半)による投票が大多数を占めた、と思ってしまうが、実は投票者の平均年齢は26.69歳なんだそうだ。リアルタイムならフレディが亡くなるちょっと前にクイーンを知ったという年頃だな(一般的にロックに目覚めるのは13歳、という自説に乗っ取らせて頂く)。ということは、やや強引に解釈するなら、90年代にクイーンを知った人たちも、後追いで70年代の作品を好きになっている、という事になる。ちょっと複雑だが、世代を越えてファンの心を掴むのは、やはり70年代の作品なのだろうか。う〜む。80年代が無視されてしまうのは、やはり寂しいなぁ。ちなみに、50位内にランクされた曲をディケイド別に分けると、70年代=31曲、80年代=11曲、90年代=8曲、となっている。90年代はアルバム2枚しか出てないのに8曲とは随分多い。1枚あたり4曲、70年代(4.4曲)並みの人気だ。80年代は少ない。1枚あたり2.2曲。70年代の半分。日本に於いては、クイーンは80年代に人気が下がったけど、この投票結果にそれがもろ反映されている。ちと悲しい。

 主に70年代の曲だけど、ベスト盤には入らないようなシブい曲が上位に来ているのは、嬉しくもあり驚きでもある。個人的には「永遠の翼」の10位、「’39」の13位には心底感激してしまった(笑) それ以下でも「予言者の歌(33位)」「ミリオネア・ワルツ(40位)」「イッツ・レイト(41位)」「神々の業(50位)」なんて実に嬉しい。ここいらに投票したのはコアなオールドファンだと思いたい(笑) あと「炎のロックンロール」「懐かしのラバー・ボーイ」のベスト20入りも大変意外だった。嬉しいけどね。

 もうひとつ非常に重要(と思われる)事項がある。それは『クイーンU』の高い人気振りだ。全11曲中7曲が50以内にランクされているのだ。ベスト20には3曲。シングルが一枚しか出ていない事を考えると、これは驚異的な数字ではないか。『クイーンU』は最高傑作との誉れ高く、故にファンにとっては“踏み絵”的存在のアルバムでもあった(これが一番好きと言わないヤツはファンとして認めない、ってことね)が、この投票結果を見てると、ますますその傾向に拍車がかかりそうで怖い。これは由々しき事態だぞ(『クイーンU』が比類なき名盤であるのは事実です。ただ、必要以上に神格化するのは良くない、と言ってるのです。各々に最高傑作があっていいはず)。といいつつ、実は『ザ・ミラクル』の評価が低すぎるのが不満なだけだったりして(笑) でも、「ホワイト・クイーン」の45位というのは気にいらんなぁ(爆)

 もうひとつ重要な事に気づいた。ロジャーの単独曲が「RADIO GA GA」しか入ってない!「カインド・オブ・マジック」も「アイム・イン・ラブ・ウィズ・マイ・カー」も50位内にもランクインしてないのだ。彼のシングル曲は少ないとはいえ、ちょっと可哀相じゃありませんか? ジョンでさえ4曲ランクインしてるのに...ま、シングル曲ばかりですけど(笑)

 正直に言わせて貰うと、「ショウ・マスト・ゴー・オン」は認めたくないし、「アイ・ワズ・ボーン・トゥー・ラブ・ユー」はクイーンではなくフレディの曲だと思っている。けど、人気投票で健闘しているということは、やはり新しいファンが多いという事なのだろう。同じファンとはいえ温度差を感じる今日この頃。と、好き放題言ってて何だが、実は僕、投票していないのです。だって、3曲に絞るなんてとてもできましぇ〜ん(泣)

 まだまだ言いたい事はあるけど、長くなったのでこの辺で止めときましょう(笑) ランキングの内容や僕のコメントに不満の方もいらっしゃるでしょう。そういう方は是非ご意見をお寄せ下さい。クイーンについて色々語り合いましょう。というか、はっきり言って、マジ論争したいです(爆)



12月11日(木)

 今、僕の目の前に天津甘栗が一袋ある。未開封だ。製造者は、“全国農業協同組合連合会 鳥取県本部 栗加工場”とある。一袋180g入りで200円。賞味期限は来年の1月26日だ。

 天津甘栗は正直な所、好きでも嫌いでもない。全く食べない訳ではないが、積極的に食べることもない。少なくとも、自分で金を出して天津甘栗を食したことはない。なのに、何故天津甘栗があるのかというと、うちの会社に取引先から「天津甘栗買って下さい」というお願いがあり、まとめて購入したのだ。で、どうですか?と言われたので、一袋買ったという次第。ま、つきあいみたいなもんだな。

 それにしても、天津甘栗って不思議な食べ物だ。スチールドラムみたいな機械に栗を入れてグルグル回すだけで、どうして栗が甘くなるのだろう? 皮も剥きやすくなるし。不思議だ(僕だけか?)

 よく駅で天津甘栗を売っているのを見かける。僕は、もちろん買ったことないし、買ってる人もあまり見かけたことはない。焼きたてパン屋と違い、行列が出来る訳でもないようだ。売れてるのだろうか、と不思議になるが、来る日も来る日も天津甘栗を売り続けているのを見ると、ちゃんと売れているのだろう。

 ほんとに不思議だ、天津甘栗は。周囲にも「天津甘栗大好き〜」なんて言ってる人はいないし、今までに会ったことはない。パーティーやお祝い事には欠かせない、という訳でもない。けど売れている。皮むきキットもみかけたことがある。ほんとに不思議だ。

 どれどれ一個食べようか。あんまり剥きやすくないな。でもまぁまぁかな。ふむふむ。あ、一個食べるつもりだったのに、気がついたら三個も食べていた。恐るべし、天津甘栗。

 余談ですが、作家の栗本薫氏は、小さい頃難しい漢字が読めるのが自慢のイヤなガキ(本人談)だったそうだが、ある日家に来た客人が持ってきた袋を見て、得意満面に「あっ、あまつあまぐりだ」と叫んだそうな。で、いつものように、難しい字知ってるのねぇ、なんて褒められるのを期待していたら、その場にいた大人たちはただニコニコ笑ってるだけで、無茶苦茶不思議に思ったらしい。間違いに気づいたのはそれから数年後で、火が出るほど恥ずかしかったそうだ。

 やっぱり不思議だ、天津甘栗。ところで、天津甘栗の皮って、燃えるゴミでいいんですか?



11月25日(火)

 随分前のことだが、ちょっと感動したというか、泣ける新聞記事があった。

 記事の内容を軽く説明すると、『両親が離婚し母親に引き取られた中学生男子が、0歳児の弟の為に窃盗を働き補導された。母親は家にほとんど帰らず生活費もろくに渡さなかった為、この中学生は弟を寝かしつけると、夜中コンビニやスーパーで現金を盗み、弟のミルク代や食費に当てていた』というもの。何故、こういう記事に僕は感動してしまったのか?

 第一に、この中学生が盗みを働いた理由である。ずばり「生活のため」。凡人には理解出来ない理由で罪を犯す少年少女が多い昨今にあって、なんと分かりやすく正当な理由であろうか。赤ん坊のミルク代というのも泣かせる。ジャン・バルジャンみたいではないか!(笑) もちろん、理由はなんであれ、盗みを働くのは良くない。彼は罪を償わなければならない。そして立派に更正するだろう。少年法は、彼のような少年の為に存在するのだ。

 第二は、彼が盗んだ金で0歳児の弟にミルクを買っていた、ということ。中学生という多感な時期に、母親に見捨てられたような状態になっていれば、自暴自棄になり赤ん坊の事などどうでもよくなってしまうのではないか、なんて気がするが、彼は盗みを働いてでも赤ん坊を育てようとした。泣けるじゃないか。僕自身もそうだけど、赤ん坊のような小さくて無防備な存在に接するとどんな奴でも、守ってやらなければ、という気持ちになるものだと思い込んでいたが、近頃の幼児虐待のニュースなんかを聞くと、現代人からそんな感情は無くなってしまったかのようだ。でも、この中学生はそういう感情をちゃんと持ち合わせている。捨てたもんじゃないね、世の中も(笑) 人間にはまだまだ可能性がある。そんな事を、この事件は伝えてくれる。

 この記事にはおまけがあり、事件を知った中学生と0歳児の母親は激しく反省し、子供たちをほったらかしにしない、と固く誓ったそうだ。その後どうなったのか分からないけど、どこまでも涙を誘う話だ(笑)

 こういう記事を読んで感動してしまう僕がヘンなのか、それだけ世間が荒んでしまっているのだろうか。



11月2日(日)

 いやいや、もう2003年も二ヶ月しかないぞ!

 そんな年の瀬も押し詰まったある日(違うって)、久々にライブを見てきたのである。今回は見たのは、ルー・タバキン・インターナショナル・ジャズ・トリオ、その名の通り、ルー・タバキン率いるトリオだ。場所はお馴染みの京都RAG、10月28日の事でした(笑)

 今回、ルー・タバキンのライブに行く事になったきっかけについては、公にすると迷惑がかかる人もいるかもしれないので(笑)触れないでおきましょう。ルー・タバキンといえば、僕は名前くらいしか知らないけど、70年代にはビッグ・バンドを率いて夫人でもあるピアニスト、秋吉敏子のリーダー作を次々と発表し、非常に高い評価を受けていた事を覚えている。その後、どのような活動をしてきたのか知らないけど、見れるチャンスがあるのなら見ておこう、と思った訳だ。

 ほぼ定刻にステージにルー・タバキンをはじめとするトリオのメンバーが現れ、タバキンのサックスソロから演奏が始まった。タバキン以外のメンバーはベースがボリス・コズロフ(ロシアの人だろうか?)、ドラムがマーク・テイラー、という顔ぶれだ。ベースはウッドベースで、静かな4ビート風でステージは進行する。当然ながら、タバキンは吹きまくりだけど、それほどブロウする感じではない。ベースとドラムの二人は、予想はしていたけど実に上手い。ジャズの人って、ほんと上手い人が多いけど、彼らもその例に漏れなかった。正直な所、曲を知らないのと普段この手のジャズは聴いていないこともあって、やや馴染みにくく、僕はドラムの人ばかり見ていたくらいだ。

 ま、前半が終わるまでは、少し退屈し始めていたのを正直に告白する(爆) しかし、20分程の休憩を挟んで後半が始まり、ゲストとしてギターの山口武が参加して4人編成になると、雰囲気が一変した。やはり、リード楽器がもう一人増えると違う。ソロ交換の場面が多くなるし、バッキングも表情豊かになる。タバキン自身も前半よりノリが良くなったみたいに感じられた。気のせいか、テンポの早い曲が多くなったようにも思われ、前半とは違って、非常にスリリングな演奏とソロが楽しめた。曲もバラエティに富んできたように思えたし。アンコールでは中近東っぽい雰囲気の曲もやっていて、なかなかいい雰囲気だった。

 ジャズに関しては、はっきり言って門外漢だし、あまりまともな事を書けないのをお詫びしておくが、やはりこの世界の人は上手い。ドラムプレイは、全く参考にならないくらい素晴らしかった。このドラムを聴けただけでも、来た甲斐があったというもの。全体的にも(特にギターが入った後半)いい感じだったんじゃないかな。秋の夜長にしっとりとジャズでも聴いてみようか、なんて気にもなった(笑)

 会場は、割合年輩、それも女性が多かった。何故だろう?



10月23日(木)

 以下は10月某日、とある高速道路のSAでの出来事である。

 車を降りて売店に入っていった僕は、店の入口付近で見知らぬ女性とすれ違った。その時彼女と目が合ってしまったのだが、普通見知らぬ人と目が合ってしまっても、すぐに視線をそらせたりするものであろう。特に女性の場合は。所が、この時彼女がじーっと視線をそらさずにいるので、つい僕も彼女をじっと見てしまった。僅かの間とはいえ、見つめあう状態になってしまった訳だ(笑) その後、店の奥でコーヒーなぞ物色していたのだが、ふと振り向くと彼女がまだこちらを見ているではないか! レジでお金を払っている時にも気がつくと彼女はこっちを見ている。一体何なんだ? と思ったら、その女性は連れと思しき若い男とこちらをみながら、何やらヒソヒソ喋っている。で、その男もこちらをじっと見ている訳だ。非常に不気味である。となると、気になるのは、その男女の会話の中味だ。色々推測してみると、


 ・パターン1
 女「あの男、さっきからワタシのことジロジロ見てるのよ。気味悪いわ」
 男「ナンパでもしようとしてるんじゃないのか。イヤらしそうな顔してるし。一発ヤキ入れとこうか」
 女「立てないようにしちゃってよ。ワタシに声かけようなんて、ずうずうしいにも程があるわ」
 男「よし、トイレの個室に連れ込んでボコボコにしたる」

 ・パターン2
 女「ねぇ、あの男、こないだスナックでワタシに絡んできた奴じゃない?」
 男「うん、間違いない。あの時ボコボコにしてやったのに、まだ君をつけ回すとは懲りない野郎だ。トイレの個室に連れ込んで、もう一回ボコボコにしたる」

 ・パターン3
 女「ねぇ、あの男、見て。あれ、主人が雇った探偵に違いないわ。」
 男「どう見ても探偵って感じじゃないけど」
 女「朝からずっとつけられてるような気がしたのよ。やっぱり主人は私達の事気づいてたのね」
 男「もしかしたら写真撮られたかも。よし、面倒に事になる前に始末しよう。トイレに入ったら個室で眠ってもらうか」

 ・パターン4
 女「ちょっと、あの男、見た事あるような気がするんだけど、もしかしたらあの時店の外にいた男じゃないかしら?」
 男「えーっ、違うだろ。もっと若くなかったかい」
 女「いいえ、間違いないわ。暗かったけど、明かりで顔見えたもの。私達のこと、覚えてるのかしら。」
 男「君がそこまで言うのなら、そうなのかな。でも、あの時のこと警察に喋られたら俺たちお終いだぜ。ここで始末しとかないと。よし、あとでトイレの個室で...」

 ・パターン5
 女「ちょっと見て!あいつよ!生きてるじゃないの!あなた、ちゃんと始末したんじゃなかったの?」
 男「いや、息のないの確認したから絶対死んだと思ったんだけど。まさか、生きてるなんて...」
 女「なんとかしてよ。あいつが生きてる限り、私達は幸せになれないわ」
 男「よし、隙を見てトイレの個室で...」

 ・パターン6
 女「あの男、母さんを轢いた男よ。裁判で無罪になったもんだから、堂々とまた車運転してるんだわ」
 男「ほんとだ、憎たらしい奴だ。人ひとり殺しておいて自分はぬくぬくと生きてるなんて許せないな」
 女「罰を受けるべきよ」
 男「よし、あとでトイレでこっそりと...」

 ・パターン7
 女「005、あの男こそ私達が追いかけていた男じゃないかしら。極秘指令591よ」
 男「003、間違いないよ。あの写真の顔は夢に出てくるほど見たもんな」
 女「では、早速任務を遂行しましょう。ここで始末する?」
 男「その方がよさそうだ。あとで、トイレで...」


 僕がトイレに生きたいのを我慢して、車に駆け戻り、大慌てでSAから逃げ出したのは、当然と言えば当然だろう(笑) しかし実にぶっそうな世の中だ。おちおち外も歩いていられない(爆)



9月16日(火)

 18年振りの阪神タイガース優勝にすっかり話題をさらわれた感があるが(爆)、今回は遅くなりましたが、公約(?)通りイエスのコンサートレポートをお届けします。相変わらず長いですけど(笑)

 思えば、今年の2月に黄金期のメンバー(ジョン・アンダーソン、クリス・スクワイア、スティーブ・ハウ、アラン・ホワイト、リック・ウェイクマン、要するに『イエスソングス』のメンバーってことね)で来日公演を行うはずだったイエスだが、ジョン・アンダーソンの腰痛の為、9月に延期になってしまった。かつてのロック・ヒーロー達も既に立派なオジサンになってしまっているのだから(←失礼!)、コンディション維持には十分気を配って欲しいものだ(笑)

 てな訳で、7ヶ月待たされたコンサート、去る12日の金曜日に、2月の公演のチケットがそのまま振り替えられたので場所も(ついでに席も)同じ大阪厚生年金会館へ行って来たのであった。この日はひたすら暑い一日で、開場時間が迫る夕刻になっても暑さは一向に和らがない。しかも、会場へ向かう途中に小雨が降り出し、余計に暑さが増した。最悪の環境である。加えて、会場側の対応がまずいもんだから、イライラはつのるばかりなのであった(笑)

 本題からはずれるが、僕はこの大阪厚生年金会館というホールがどうも好きではない。ここは大ホールやら芸術ホールやらホールがいくつかあって、どこに並べばどのホールへ入れるのかがよく分からない。現に、以前違う行列に並んでしまった事もあった。しかも、チケット販売所も同じような所にあってややこしい。係員がしっかり誘導してくれたりするのならいいのだが、ここはいつも係員が少なく、しかも拡声器を使わず地声で怒鳴ったりしているので聞き取りづらい。誘導する人員が少ないのなら、立て看板等を分かりやすく並べるとかすればいいのに、そんな事もしない。要するに気が利かないのだ。また、中に入ってもロビーが狭いせいかグッズ売場はいつも長蛇の列。並んでいる間に開演になってしまう。だいたい開場から開演まで30分しかない、というのもふざけている。結局開演前にグッズを買うのはあきらめ、終わってからにしようと思うのだが、となると今度はまだ並んでいる人が大勢いるのに、客の追い出しを始めるのだ。本当に失礼なホールである。3階まであるのにエレベーターすらないし。ついでに言うと、3階のロビーは冷房すら入れていなかった。客の事など何も考えていない。出来れば、もうここでコンサートは見たくないくらいだ。

 と、文句ばかり言ってると、せっかくのコンサートの印象まで悪くなってしまうので、この辺にしとくとして(笑)、自分の席についてステージを眺めると、向かって右側に並べられたキーボード群に目がいく。今どきあんなにキーボード並べてライブする人なんていないよなぁ、と思わず苦笑。キーボードでぐるりとサークルを作ったりなんて、さすがリック・ウェイクマン(笑) 客の年齢層はやはり高い。間違いなく50は過ぎてるだろう、という人が目立った。それも背広にネクタイではなく、ポロシャツに綿パンみたいな格好の人が多かったな。あと、妙に目つきの鋭い人が何人かいたのも不気味だった(笑)

 入口に、本日のコンサートは2部構成で、一部75分休憩15分二部75分と書いてあったのが妙に笑えたけど、決して若くはないとはいえイエスの面々、正味2時間半ものコンサートを予告するとはさすが。素晴らしいプロ根性だ。否応なく期待は高まる。そして、定刻を少し過ぎた頃、会場内に『火の鳥(だと思う、自信ない)』が流れ、メンバー達がステージに姿を現した。さあ、イエスショウの始まりだ!

 ここでうろ覚えですが、セットリストを。

  1.シベリアン・カートゥル
  2.知らない曲
  3.クジラに愛を
  4.また知らない曲
  5.天国への架け橋
  6.南の空
  7.同志
  8.スティーブ・ハウ・ソロ
  9.同じくスティーブ・ハウ・ソロ
    (休憩)
 10.ジョン・アンダーソン・ソロ
 11.同じくジョン・アンダーソン・ソロ
 12.リック・ウェイクマン・ソロ
 13.遙かなる想い出
 14.ザ・フィッシュ
 15.ホワイト・フィッシュ
 16.悟りの境地
    (アンコール)
 17.アイブ・シーン・オール・グッド・ピープル
 18.ラウンドアバウト

 残念ですが、「危機」はやりませんでした(笑) 曲目だけ見てるとヒット・パレードみたいだけど、後ろ向きな感じはしなかった。年は取ってもやはりイエスの演奏力は素晴らしい。たとえ昔の曲でも、その曲を演奏しなければならない必然性みたいなのが、その演奏ぶりから窺えて、圧倒されたというか、じっと聴き入ってしまった。こんなライブも久しぶりだ。

 高い演奏力を見せつけたとはいえ、昔見たキング・クリムゾンみたいに求道者的な息苦しさはなく、非常に楽しめるコンサートだった。イエスをよく知らない人でも十分満足できただろう。彼らの曲は長いけど構成は分かりやすいのが特徴だし、それにメロディがポップだ。初めて聴く曲があったけど(2曲目は「マグニフィケイション」という曲だったのではと思う)、とてもいい曲だったし。加えてメンバー達も楽しそうにブレイしていた。ジョン・アンダーソンは妙に剽軽だし、「ザ・フィッシュ」でベースソロに入る前、ステージ中央で仁王立ちになって客席を見渡すクリス・スクワイアもカッコ良かった(だけど、少し笑えた)。

 演奏力もさることながらアンダーソン、スクワイア、ハウの3人によるコーラスも見事!の一言。3人でやってるなんて、とても思えなかった。「天国への架け橋」の複雑なコーラスを生で再現するなんて、感動的ですらあった。

 個人的には「南の空」をやってくれたのが嬉しかった。この曲大好きなのだ。

 総じて素晴らしいコンサートだったと思うのだが、敢えて一言、アンコールで定番「ラウンドアバウト」をやったのはいいが、これ短縮バージョンになっていた。イントロのアコースティック・ギターのソロはなくいきなり曲が始まったし、中間部の静かな部分をカットして一気にオルガン・ソロに飛んでしまったのは、正直言って興ざめだったな。スティーブ・ハウは、あのアコギのパートを弾きたくないのだろうか。

 大変熱心なファンが多いイエスであるし、僕のような門外漢がこれ以上言うのは止めておく。でも、十分満足出来るコンサートだった。改めて30年以上に渡って活動を続けるイエスの凄さを体感した次第です。

 19:00開演のコンサートが終わったのが21:40頃。予告通り、2時間半たっぷりと聴かせてくれました。さすが、イエス(笑)



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